日本産のボラ科魚類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 04:03 UTC 版)
日本には少なくとも7属15種のボラ科魚類が分布する。暖流に面した温暖な地方で多くの種類がみられるが、全国的に分布するのはボラ・メナダ・セスジボラの3種に限られる。 ボラ Mugil cephalus Linnaeus, 1758 全長60cmに達する。体が前後に細長く、脂瞼が大きく発達する。尾鰭は中央で湾入し上下に分かれる。アフリカ西岸を除く全世界の熱帯・温帯に広く分布し、日本沿岸でも北海道以南で普通にみられる。各地で食用に漁獲される。 メナダ Chelon haematocheila (Temminck et Schlegel, 1845) 全長100cmに達する大型種。ボラに似るが脂瞼の発達が悪いこと、頭部が縦扁し前方に尖ること、目や唇に赤みを帯びること、尾鰭の湾入が浅く三角形に近いことなどで区別する。中国・朝鮮半島・アムール川などに生息し、日本でも九州から北海道まで分布するが、南西諸島ではあまり見られない。内湾や河口の汽水域に生息し、ボラと同じく食用に漁獲される。 セスジボラ C. affinis (Günther,1861) 全長30cmほど。和名通り背中の中央に隆起線があるので他の種類と区別できる。中国・台湾・日本列島沿岸域に分布する。 コボラ C. macrolepis (Smith, 1846) 全長30cmほど。体は太短く、脂瞼はない。インド洋・太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布し、日本では千葉県以南に分布する。 フウライボラ Crenimugil crenilabis (Forsskål, 1775) 全長60cmほど。上唇が非常に厚く、胸鰭の基部に小さな黒点がある。インド洋・太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布し、日本では千葉県以南に分布する。おもにサンゴ礁の浅い海域に生息し、淡水域には侵入しない。 オニボラ Ellochelon vaigiensis (Quoy et Gaimard, 1824) 全長55cmほど。胸鰭は黒く、臀鰭と尾鰭は黄色調。また、尾鰭の形状は湾入がなく三角形である。インド洋・太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布し、日本では和歌山県以南に分布する。 カマヒレボラ Moolgarda pedaraki (Valenciennes, 1836) 全長50cmほど。成魚の第2背鰭が鎌のように伸びるのでこの和名がある。体は太短く、尾鰭が大きい。南西諸島以南の西太平洋・東インド洋の熱帯域に分布する。
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