日本への核武装提言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 22:57 UTC 版)
「エマニュエル・トッド」の記事における「日本への核武装提言」の解説
2006年、朝日新聞のインタビューにおいて、「核兵器は偏在こそが怖い。広島、長崎の悲劇は米国だけが核を持っていたからで、米ソ冷戦期には使われなかった。インドとパキスタンは双方が核を持った時に和平のテーブルについた。中東が不安定なのはイスラエルだけに核があるからで、東アジアも中国だけでは安定しない。日本も持てばいい。」と述べ、日本の核武装を提言した。さらにトッドは、ドゴール主義的な考えだとして、「核を持てば軍事同盟から解放され、戦争に巻き込まれる恐れはなくなる」と指摘する。ほか、被爆国である日本が持つ核への国民感情については、「国民感情はわかるが、世界の現実も直視すべき」とした。 フランスの核武装については、何度も侵略されてきたことが最大の理由とし、「地政学的に危うい立場を一気に解決するのが核だった」と指摘した。 日本が核兵器を持った場合に派生する中国とアメリカと日本との三者関係については、「日本が紛争に巻き込まれないため、また米国の攻撃性から逃れるために核を持つのなら、中国の対応はいささか異なってくる」との見通しを出したうえで、「核攻撃を受けた国が核を保有すれば、核についての本格論議が始まり、大きな転機となる」と指摘した。 2010年、日本経済新聞のインタビューでは、日本と中国との不均衡な関係に対して、ロシアとの関係強化を提言した。 日本は非核国なのに対して中国は核保有国です。経済でも日本は高い技術力を持つ先進国なのに比べて、中国は輸出や生産の規模は大きいが技術力は低い。日中両国は、均衡が取れていません。不均衡な関係は危険です。実際、中国は国内の不満をそらすために反日ナショナリズムを利用しています。中国をけん制するには、地政学的に見てロシアとの関係強化が有効なのです。 その後も、『文藝春秋』2022年5月特別号に寄稿した記事「日本核武装のすすめ」において、「アメリカの核の傘は幻想であり、日本は核武装をするべきである」という主旨の提言を行っている。
※この「日本への核武装提言」の解説は、「エマニュエル・トッド」の解説の一部です。
「日本への核武装提言」を含む「エマニュエル・トッド」の記事については、「エマニュエル・トッド」の概要を参照ください。
- 日本への核武装提言のページへのリンク