日本の国内世論
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「2010年中国における日本人死刑執行問題」の記事における「日本の国内世論」の解説
日本も中国と同様に死刑制度存置国であるが日本では麻薬犯罪の最高刑は無期懲役であり、死刑になることはありえないため中国の死刑執行に対し非難する声があった。日本弁護士連合会は「日本は死刑存置国ではあるが、同様の犯罪なら無期懲役が最高刑で死刑の対象ではない。国際人権規約でも死刑は『最も重大な犯罪』に限るべきだとしており、少なくとも人命が奪われる結果が生じていなければ、死刑を科すべきではない」と主張した。 アムネスティ・インターナショナル日本支部は「秘密主義による透明性の欠如、政府の厳格な対応を誇示するための恣意的な死刑執行、死刑適用犯罪が広範囲に渡ること、国際基準に沿った公正な裁判がまったく行われていないことなど、多くの深刻な問題がある」として、この事件を含めて中国政府が行ってきたすべての死刑の執行に対する抗議声明を発表した。 東京新聞4月2日の社説は「中国異質論を助長する」と中国政府の人権や自由といった価値観が他国と異なっていることから、摩擦を引き起こすだろうと説き、読売新聞4月3日の社説は「日本国民の対中感情に微妙な影響を与えた」と、中国の司法制度の問題点を指摘した。 産経新聞4月3日の社説「主張」は「中国の裁判制度も世界を納得させるものに変わるには、言論の検閲やチベットの人権問題と同様、一党独裁体制の劇的転換しかないだろう」と述べ、同じく産経新聞のニュースサイトで櫻井よしこは麻薬犯罪は憎むべきものだとしたうえで、「首相は中国には中国の法律がある、それを尊重すべきだと語っている。たしかにひとつの理屈である。 だが、法律だからといって中国政府の定めた法律に日本国政府が無条件に従ってよいものか。」と尖閣諸島問題や中国の人権問題などを引き合いに出し、中国国内法に対する不満を露にしている。 なお毎日新聞の伊藤正志は産経新聞の「主張」に対し「司法の問題であり、政治がテーマではない。だが、産経の中国観の突出ぶりが目立った」と指摘している。
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