日本における競技ディベート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 03:46 UTC 版)
「ディベート」の記事における「日本における競技ディベート」の解説
日本で行われている英語での競技ディベートは、米国で採られているスタイルに大きく依存している。競技ディベートのスタイルには前述の通り変遷が見られるものの、その時々の米国における支配的な考え方が、ほぼそのまま日本にも導入され大勢を占めてきたと言って良い。現在でも、英国式のパーラメンタリーディベートにしろ、米国式のポリシーディベートにしろ、日本で行われているものと米国で行われているものとの間に大きな相違はない。その意味では、英語での競技ディベートのスタイルは、安定的・継続的なものであったと言えよう。 これに対して、日本語での競技ディベートのスタイルは非常に流動的かつ散発的で、これまで雑多なものが生まれている。1940年代の朝日討論会のスタイルが「朝日式」、1950年代に当時の米国オレゴン大学から導入されたスタイルが「オレゴン式」などと呼ばれた。また、1980年代以降は全関東学生雄弁連盟加盟の弁論部主催大会で独自のスタイルが成立、これに対抗して1990年代には慶應義塾大学開智会主催大会や、産経新聞主催のザ・ディベートアカデミーなどで独自のスタイルが試行された。 近年では、全国中学・高校ディベート選手権において、「メリット・デメリット比較方式」と呼ばれるスタイルが成立している。肯定側・否定側ともに、立論・質疑応答が各1回、反駁が2回、準備時間が立論・尋問後に1分、反駁後に2分。人数は4人制。NDTスタイルを基礎にしているが、様々な教育上の配慮から議論に強い制約が掛けられ単純化されている。このスタイルは、学校教育の現場に決定的な影響を与えるとともに、日本語ディベートサークルにも影響を与えた。 また、社会人の間でもアクティブラーニングを取り入れた活動としてディベートが注目されており、既存のディベートを援用して、即興型ディベートが注目を浴びている。競技ディベート・教育ディベートの利点を取り入れながら、競技として本格的に行うのではなくアクティブラーニングや参加型講座としての側面が強い。
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