日本における競走馬生産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 08:23 UTC 版)
「日本の競馬」の記事における「日本における競走馬生産」の解説
近代競馬においては、競馬と馬産とは表裏一体の関係にある。戦前の競馬は優秀な軍馬生産の目的もあり、政府主導の馬匹改良を奨励し、またその成果を確認する意味をもっていた。農耕馬の品種改良のために導入されたペルシュロンの血を引く馬がばんえい競馬で、軍馬として生産を奨励されたアングロアラブが地方競馬で、現在でも競馬に用いられているのはその名残ともいえる。 現代においては軍事や使役目的の馬産はほとんど不要となったため、サラブレッドの競走馬は競馬を行うためだけに生産されている。またもっぱら農耕や運搬の手段として用いられた重種馬は主に食肉用として生産されているが、その中で牽引力に秀でた一部の馬はばんえい競馬の競走馬となる。競馬はサラブレッドや重種馬の質を常に一定以上に保つための淘汰の手段として行われる。生き物である以上、どれ程素晴らしいサラブレッドが誕生しても寿命が来ると死んでしまう。肉牛などと異なり、競馬の世界では精子の保存や人工授精といった手法は認められていない(自然交配主義)。そのため、先天的な能力にばらつきがある限り、ある水準を保つためには常に、維持したい数量よりも多くを生産してその中からよいものを選抜するという作業を継続する必要がある。また、サラブレッドの生産と流通という経済活動に携わる人や企業も、当然として競馬と馬産の継続を必要としている。 以下、本稿では日本のサラブレッドの馬産の現状について述べる。重種馬の馬産の現状について詳しくは農用(輓系)馬の生産参照。
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