日本での科学史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 18:54 UTC 版)
日本における科学史家は、科学論も研究していることが多く、数学史に関しては非常に早くから研究が行われてきた。また、唯物論研究会では1930年代に科学史や科学論についての議論が行われていた。しかし、科学全般を扱う科学史が学問としての成立をみるのは、日本科学史学会が発足し、論文誌『科学史研究』の刊行が始まった1941年ごろとみてよいと思われる。 それまでは科学史を体系的に研究する機関は存在しなかったが、戦後、東京大学教養学部が科学史を扱うようになった。この後、複数の大学で専攻コースが作られている。ただし、科学史家の研究地盤は脆弱であり、一人の研究者がある大学を去ると、その後、その大学での研究が滞ることが多い。また、科学史のみを専門に研究する研究機関も存在しない。 日本における科学史へのアプローチは2通りに大別でき、自然科学の基礎理論の一分野として研究される場合と、科学を哲学的に検証するために研究される場合がある。 数理科学教育において、科学史を踏まえた授業実践の報告が数多く為されている ほか、自然科学系の講義は「重要項目を順に配置した一つの講義のシラバスそのものが、ある分野の科学史の目次であると言えなくもないこと」「エピソードとして時間が許せば可能な限り科学史を紹介することは受講者にとって理解の一助となり有意義であるかもしれないということ」「政治経済がグローバル化した今日、科学史から派生したような環境や科学リテラシーが以前に増して世界全体の問題になったこと」から、科学史と密接な関係があると指摘される。
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