日本での瓦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 08:26 UTC 版)
「日本の古瓦」も参照 形や用途、焼成法、色、等級、産地など様々な分類法があり、数え方によっては1000を超えるほどの種類がある。特に鬼面が施された「鬼瓦(おにがわら)」や瓦当(がとう=軒丸瓦先端の円形部分)の文様は、芸術品としての評価もある。粘土瓦の製法は、本来の素焼きよりも釉薬が使われるほうが増えたので、現在では、釉薬を使用する瓦と、釉薬を使用せず素焼きにする「無釉薬瓦」とに大別されるようになっている。 2006年現在で、日本国内で稼働している最大の瓦窯は、容積としては長さ110m×幅F形12列1段のトンネル窯である。最長は、125mのトンネル窯(幅、F形9列1段)である。 粘土以外の材料を用いた瓦は、日本では粘土瓦と区別しつつ、材料名+「瓦」のかたちで呼ばれることが多い。なかでも石瓦や銅瓦は歴史的にも古くから用いられてきたものである。現在でも、セメントを用いたセメント瓦、金属を用いた金属瓦等が、粘土瓦が向かない 寒冷地、寺社、歴史的建造物等によって用いられることがある。 瓦が葺かれた屋根を「瓦葺き(かわらぶき)」、「瓦葺屋根」、「甍(いらか)」と言う。日本の甍は天辺が水平なものが多い。瓦を屋根に施工することを瓦を葺くといい、その施工に携わる業者を瓦葺き職人と呼ぶことがある。 用途 瓦は日本では、その本来の屋根建材としての用途のみに限らず、平瓦を壁に用いて漆喰で継ぎ手を板かまぼこ状に盛り固めた「海鼠壁(なまこかべ)」や、瓦や石などを粘土で接着し固めて造る「練塀(ねりべい)」などの壁材、寺院の基壇のタイルのような役目や、雨落ちや溝の一部としても用いられる。 建築以外では、空手道や中国拳法の試割り(瓦割り)にも用いられる。また、「瓦割り」は屋根業界では、瓦を葺くため、屋根に割り付けをするという意味で用いられる。「地割り」ともいわれる。
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