於茂登岳とは? わかりやすく解説

おもと‐だけ【於茂登岳】

読み方:おもとだけ

沖縄県石垣島のほぼ中央部にある山。標高526メートル県内最高峰。島の霊山とされる名蔵(なぐら)川・宮良(みやら)川の水源。全山亜熱帯性樹林自然植生からなり、県の天然記念物指定されている。西表(いりおもて)石垣国立公園属する。於茂登山


於茂登岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/21 07:32 UTC 版)

於茂登岳

南東から望む於茂登岳
標高 526 m
所在地 日本沖縄県石垣市
位置 北緯24度25分38秒 東経124度11分00秒 / 北緯24.42722度 東経124.18333度 / 24.42722; 124.18333 (於茂登岳)座標: 北緯24度25分38秒 東経124度11分00秒 / 北緯24.42722度 東経124.18333度 / 24.42722; 124.18333 (於茂登岳)
山系 於茂登山系
種類 岩石山
於茂登岳の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示
於茂登岳

於茂登岳(おもとだけ、八重山語: ウムトゥダギ)は、沖縄県石垣市にある標高526メートルのである。石垣富士とも呼ばれる。『球陽』では宇本嶽宇茂登嶽と記されている[1]

概要

於茂登岳の標高は526メートルで、沖縄県の最高峰であり[2]、また正保年間の『正保国絵図』に琉球で唯一名前が記された山である。石垣島(北東に突き出す野底半島、平久保半島を除いた部分)の北岸沿いに東西に連なる於茂登山系のほぼ中央に位置し、北北東には桴海於茂登岳が、西にはぶざま岳がある。地質的には新第三紀花崗岩からなる[1]

イタジイを中心とする照葉樹林に覆われているが、山頂付近はリュウキュウチクに覆われ、背の高い草地となっている[1]。北側の山麓にはカンヒザクラの自生地があり、「荒川のカンヒザクラ自生地」として国の天然記念物に指定されている[3][4]。この他、国指定の特別天然記念物であるカンムリワシやリュウキュウキンバト、県指定の天然記念物であるアサヒナキマダラセセリなどの動植物が周辺に生息する[5]

1997年平成9年)9月11日に、北西麓の川平湾とともに「川平湾及び於茂登岳」として国の名勝に指定されている。登山道は南側にある。北東側中腹から発する宮良川や南側中腹から発する名蔵川が、島の生活用水や農業用水といった水源とされ、南斜面の一部は水源涵養林に、また山頂周辺や尾根筋などは保安林に指定されている。

信仰

古くから霊山として信仰の中心的存在であり、山名の「ウムトゥ」は「島の大本」を意味するともいう[1]。『琉球国由来記』によると、名蔵村の御嶽は於茂登の神「ウムトゥテラシィ」の拝礼所で、於茂登の神を祀る祭事が島内の多くの御嶽で行われたとされる。また、『琉球国由来記』や『君南風由来并位階且公事』では、首里の弁ヶ岳、於茂登岳、久米島の三神は日本から渡来した姉妹であり、二番目の神は妹と一緒に久米島を居所としたが、自分の山が妹のいる山より低かったので、八重山に移って於茂登岳に垂迹して島の守護神になったと伝わる[1][6]弘治13年(1500年)のオヤケアカハチの乱の際には、久米島の神女を統括する君南風が琉球王国の軍に帯同し、於茂登岳の神を説得して帰順させたという[1][6][7]

登山

  • 登山口まで
    • 車 - 新石垣空港から車で約30分。
    • バス - 石垣バスターミナルから東運輸米原キャンプ場線(系統番号11)で約44分のおもと停留所下車。 於茂登岳登山口まで徒歩約30分。
  • 登山口から山頂までは、徒歩約1時間(下りは約55分)[8]

於茂登岳に関する事物

  • 西表島 - 新井白石の『南島志』では「入表」と表記され、於茂登岳より奥にある島の意味であると記されている[9]。また、西(いり)の於茂登に由来するという説もある。

音楽

脚注

  1. ^ a b c d e f 角川 2009, pp. 243–244.
  2. ^ 都道府県の最高地点”. 国土地理院. 2019年12月23日閲覧。
  3. ^ 荒川のカンヒザクラ自生地 - 文化遺産オンライン文化庁
  4. ^ 石垣島の風景と自然 87. 荒川川(あらかわがわ)のカンヒザクラ(寒緋桜)自生地”. 石垣市教育委員会市史編集課. 2018年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月19日閲覧。
  5. ^ 日本生物教育学会沖縄大会「沖縄の生物」編集委員会 編『全国大会記念誌 沖縄の生物』沖縄生物教育研究会、1984年、167-189頁。 
  6. ^ a b 於茂登岳”. コトバンク. 2025年4月21日閲覧。
  7. ^ 『球陽』尚真王24年(1499年)条
  8. ^ 於茂登岳―沖縄県の最高峰から眺める珊瑚礁の海―”. 親子で楽しむ山登り. 日本山岳会. 2020年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月19日閲覧。
  9. ^ 角川 2009, p. 173.
  10. ^ DISCOGRAPHY”. BEGINオフィシャルサイト. 2020年12月19日閲覧。
  11. ^ ふるさとからの声 成底ゆう子 歌詞情報”. うたまっぷ. 2020年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月19日閲覧。

参考文献

  • 角川日本地名大辞典編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 47 沖縄県』角川書店、2009年10月27日。ISBN 9784046229656 

関連項目

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「於茂登岳」の関連用語

於茂登岳のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



於茂登岳のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの於茂登岳 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS