新馬 - 重賞2着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 03:52 UTC 版)
「メジロブライト」の記事における「新馬 - 重賞2着」の解説
8月31日、函館競馬場の新馬戦にて千田輝彦が騎乗しデビューを果たす。ただ最低の6番人気、単勝オッズは58.9倍だった。他5頭のオッズは1.2倍から13.5倍の間に収まっており、大きく飛躍して50倍台のメジロブライトは、ずば抜けて期待されていなかった。 新馬戦の人気と単勝オッズ人気馬名オッズ1 (外)パームシャドウ 01.2 2 アポテオーズ 06.2 3 (父)(市)ロイヤルマッハ 10.0 4 ヤマノオリオン 12.6 5 ライジングアロー 13.5 6 (父)メジロブライト 58.9 スタートで出遅れたメジロブライトは最後方、先頭が前半の1000メートルを1分12秒で通過する前方有利の「超スローペース」(井口民樹)を追走した。最後方のまま直線に向き、大外から追い上げを開始し、他を続々と差し切った。遂には、先に抜け出していた1番人気パームシャドウまでもかわし、半馬身差をつけて先頭で入線。デビュー戦勝利を果たす。 ただし走破タイムは2分1秒6であり、芝2000メートルの決着タイムに相当するほど遅かった。この直後、栗東にて国一は、調教師の伊藤修司と雑談をしている。伊藤は、定年による厩舎解散を控える国一に対し「何かいい馬を回してくれよ」と冗談まじりに話していた。そこで国一は、新馬戦を勝った直後のメジロブライトはどうかと提案していたが、伊藤はすぐに「あれだけは要らん。千八を2分で走るような馬なんて」と拒まれたという。また山吉は、デビュー3日前に、ハギノカムイオーなどの厩務員だった父・山吉弘を亡くしていた。そのため、この勝利を「父が勝たせてくれた」などと神頼みで得たとしか考えることができなかったという。 続いて9月22日、同じ舞台のすずらん賞(OP)に横山賀一に乗り替わって参戦する。再びスタートで出遅れて最後方を追走し、同様に追い込んだが、スプリングダイアナだけかわせず2着。しかしながら新馬戦よりも10.1秒速い1分51秒5で走破していた。その後は本州、栗東に入り、10月19日のデイリー杯3歳ステークス(GII)に臨み、松永幹夫と新コンビを結成した。これよりしばらくは、鞍上が松永で固定される。秀一厩舎のマチカネエデンが3番人気に支持される一方、距離400メートル短縮の重賞初挑戦、父国一厩舎のこちらは7番人気という支持だった。脛の前面に痛みを抱えながらの出走だった。メジロブライトはまたまたスタートで出遅れて最後方を追走する。直線でスパートを開始したが、2番手から抜け出して独走した1番人気シーキングザパールには5馬身も敵わなかった。それでも、他すべてを差し切ることには成功する。シーキングザパールがビワハヤヒデのコースレコードを0.4秒更新するタイムで優勝する中、メジロブライトはその2着を確保していた。 しかしこの後は、かねてから不安のあったソエが骨折寸前まで悪化。慎重に2度レントゲン検査するほどの重傷で休養となる。以後、約2カ月間戦線を離脱した。ただし国一は、この2着でようやくメジロブライトの実力が本物だと認識するようになっていた。函館までは「半信半疑というか、デイリー杯までこれたんだからこれでいいか」と考えていたが、重賞2着を見て「これならどの馬がきたって大丈夫だ」と認識を改めたと述べている。
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