新発見による論争の激化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:54 UTC 版)
望遠鏡の技術が進歩し続けたことにより、21世紀にはさらに多くの太陽系外縁天体が発見できるようになり、その中には以下のように冥王星の大きさに匹敵するものもあった。 2001年5月22日、アメリカの天文台が2001 KX76(イクシオン)を発見。2001年8月31日にはヨーロッパ南天天文台が直径は少なくとも1,200キロメートル以上であることを確認。最大のKBOと認定される。 2002年、冥王星の半分よりも少し大きい直径1,280キロメートルの2002 LM60(クワオアー)が発見される。 2004年には、推定直径の上限が1,800キロメートルである 2003 VB12(セドナ)が発見され、冥王星の直径の2,320キロメートルに迫った。 2005年7月29日、2003 UB313(2006年9月にエリスと命名された)と呼ばれる外縁天体の発見が公表された。この天体は等級とアルベドを考慮に入れただけの計算を元にすると、冥王星よりやや大きいと推測された。これは1846年の海王星の発見以来、太陽系内で最大の天体の発見であった(ただし、現在では冥王星はエリスよりもわずかに大きいという報告もある)。この天体を惑星と呼ぶかどうかの公式な合意は何もなかったにもかかわらず、発見者とメディアは当初これを「第10惑星」と呼び、10個目の惑星発見という報道もされた。天文学会のほかの人々の中には、この発見を冥王星を小惑星として再分類するもっとも強力な根拠とみなす者もいた。 最後まで残った冥王星の特徴的な点は、巨大な衛星カロンと大気である。しかしこれらの特徴も、冥王星特有のものではないかもしれない。ほかにも多くの外縁天体が衛星を持っている。また、2003 UB313(エリス)のスペクトルからは表面の組成が冥王星と似ていることが示唆され、2005年9月には衛星も発見された(2006年9月にディスノミアと命名された)。外縁天体2003 EL61(のちのハウメア)は2つの衛星(ヒイアカ、ナマカ)を持ち、エリス、冥王星、2005 FY9(のちのマケマケ)に次いで4番目に大きな外縁天体である。
※この「新発見による論争の激化」の解説は、「冥王星」の解説の一部です。
「新発見による論争の激化」を含む「冥王星」の記事については、「冥王星」の概要を参照ください。
- 新発見による論争の激化のページへのリンク