新発田部屋
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百雲 道明(びゃくうん みちあき) 「最後の十五日」に登場する幕内力士。番付は関脇。本名・登馬(とうま)道明。常に狂気じみた余裕のない顔つきと立居振舞いをしており、無茶な取組で相手を壊すことも多い。本場所で泡影に最後に土をつけた力士。 学生横綱から角界入りし、その実力と才能、周囲を積極的に引っ張り誰からも慕われる明るく模範的な性格から「角界の良心」と呼ばれ、将来の横綱と期待されていた。しかし泡影との初取組で、新たな境地に到達した自分に感激した泡影が何もせず土俵を割ったため、圧倒的実力差がありながらわざと勝ちを譲られた形になり、堪えがたい敗北感と屈辱感で人間性が変化。泡影を実力で倒すために周囲への感謝の念を捨て高校以来の恋人・綾子とも別れ、相撲スタイルもそれまでとは正反対の冷酷で情け容赦ないものとなった。 九月場所では九日目までに2人を故障させており、十日目に松明と対戦。お互いに高度な技の応酬を繰り広げるもまわしを取りに来た松明の左腕を負傷させ、さらに小手投げで反撃に出た松明の右腕を脱臼させ、腕が上がらなくなった松明の手が土俵についたことで勝利を収めたが、その凄惨極まる取組内容に観客からは罵声を浴びせられた。 十一日目に全勝の王虎と対戦。これまでと同様の非情な攻めを見せるもその全てが王虎には通じず「偽物」と否定され、追い詰められた末に自分に残されていた自分本来の相撲を取り戻し、当時以上の力を発揮するも最後には完敗する。敗戦後、自分は泡影戦で力士として終わっていたことを悟り、親方たちへ謝罪するとともにこの一番を最後に現役を引退した。表情も憑き物の落ちた晴れやかなものに戻り、国技館の外では別れた綾子と再会を果たしていた。 新発田(しばた)親方 新発田部屋の親方。新弟子不足で悩んでいたが百雲の入門により部屋に活気が蘇り、百雲へ熱心に指導を行っていた。百雲が未来の相撲界を牽引し、泡影をも超える横綱になると確信しており、百雲が本場所で泡影を破った時には涙を流して喜んだが、それを境に豹変して自らを追い詰めるような相撲を取るようになった現在の百雲の姿に心を痛めている。
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