敬称に準ずるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 17:05 UTC 版)
「無罪推定の原則#マスコミによる容疑者・被告の使用例」も参照 かつて犯罪者(被疑者)などは敬称を省くのが一般的だったが、人権意識の高まりから、報道では、被疑者については「容疑者」、被告人については「被告」、受刑者については「受刑者」、死刑の言渡しを受けて拘置される者については「死刑囚」などの語を敬称に類似するものとして用いている。役職にあったものの場合は肩書を代わりに用いることもある。確定死刑囚が執行されずに・無期懲役囚が釈放されないままに獄中死したり、死刑が執行された後は「元受刑者(元服役囚)」「元死刑囚」という語が用いられる。 マスメディアにおいては、被疑者や被告人であっても、従前より一定の肩書きや地位が著名である場合や対象者の名誉に対して特別の配慮をする場合には、「容疑者」や「被告」といった肩書きは用いずに、異なる敬称を用いることがある。オウム真理教の村井秀夫「元幹部」、SMAPの稲垣吾郎「メンバー」、島田紳助「司会者」「所属タレント」、小泉今日子「タレント」、和泉元彌「狂言俳優」、中村獅童「歌舞伎俳優」、UVERworldのTAKUYA∞(本名・清水琢也)「ボーカル」、布袋寅泰「ギタリスト」、月亭可朝「落語家」、小室哲哉「プロデューサー」などがある(→報道におけるタブー#芸能プロダクションタブー)。 田中角栄がロッキード事件で逮捕された頃は被疑者・被告人は呼び捨てが普通だったが、マスコミではロッキード事件の記事の時は「田中」、それ以外の政治記事の時は「田中元首相」と表記していた。また、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者であるウサマ・ビン・ラディンは、当初日本のマスコミは「ビンラディン氏」と呼称していたが、彼がビデオ声明で自分が首謀者だと表明した後は「ビンラディン容疑者」と呼称を変えた。なお、当初から呼び捨てにしていたメディア[誰?]も存在する。
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