教科書での採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 01:30 UTC 版)
「おとなになれなかった弟たちに…」の記事における「教科書での採用」の解説
この作品は1987年(昭和62年)度採用の版からおよそ30年以上、光村図書出版の中学校1年生の国語教科書で採用されている。作品の採用の意図として「表現に込められた、登場人物の心情や作者の思いを読み取る」「時代や状況の中で自分を見つめていくことの大切さを考える」「作品の中で生きる表現」「つながりを読む」と挙げている。 2006年(平成18年)度から2009年(平成21年)度まで採用の版の指導CDの作品およびあとがき(資料)の朗読は作者自身が行っている。 死んだヒロユキばかりではない。罪も無い乳児を栄養失調で死なせなければならなかった周囲の大人達も不幸である。自分の子に何もできず顔すら見ることができなかった父も不幸である。作者一家の顔をみるなり追い返さなければならなかった親戚も不幸である。弟のミルクを奪った作者も不幸である。なによりも自分の長男が次男の唯一の食料を取ることを咎めることが出来なかった母はもっとも不幸である。弱い子供が被害者であるとともに、より弱い者に対しては加害者になってしまう。被害者を、同時により弱い者への加害者にもしてしまったものはいったいなんであるか?ヒロユキのミルクを主人公が盗み飲みすることを母は何故?きつく咎めることが出来なかったのか?教科書の指導書は生徒の指導に当たって問いかけるよう求めている。
※この「教科書での採用」の解説は、「おとなになれなかった弟たちに…」の解説の一部です。
「教科書での採用」を含む「おとなになれなかった弟たちに…」の記事については、「おとなになれなかった弟たちに…」の概要を参照ください。
- 教科書での採用のページへのリンク