教科書としての配慮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/28 19:25 UTC 版)
「Elementary Calculus: An Infinitesimal Approach」の記事における「教科書としての配慮」の解説
当教科書は、ロビンソンによる超実数の構成に基礎をおくものである。キースラーはより深く基本資料をカバーする指導者向けに傍用図書として Foundations of Infinitesimal Calculus(「無限小解析の基礎」)も著している。 連続性、微分、積分などの初等解析学における基本概念が、無限小をもとに定義される。ε–δ を用いてこれらを定義する通常の手法も第5章の最後に書かれているので、これら定石に則ったアプローチへの読み替えも可能である。 本書においてキースラーは、互いに無限に近い超実数を区別することを視覚的に表すために、教育学的手段として「無限に拡大できる顕微鏡」を用いた。同様に、無限大超実数を表すのに「無限に解像度のある望遠鏡」を用いている。 曲線(具体的には函数 f のグラフ)を拡大鏡を通して調べるとき曲率がレンズの倍率に比例して減少するように、「無限に拡大できる顕微鏡」は f のグラフの無限に小さい弧を(無限に小さい誤差を除いて)直線にする(実際に視覚化できるのは非常に高解像度の「顕微鏡」ということにはなるが)。そうして f の微分(微分係数)はそうやって得られた直線の傾き(の標準部分(英語版))を言うのであった。 つまり、この「顕微鏡」は微分の説明のための道具として用いられたわけである。
※この「教科書としての配慮」の解説は、「Elementary Calculus: An Infinitesimal Approach」の解説の一部です。
「教科書としての配慮」を含む「Elementary Calculus: An Infinitesimal Approach」の記事については、「Elementary Calculus: An Infinitesimal Approach」の概要を参照ください。
- 教科書としての配慮のページへのリンク