教員大量退職時代を迎えて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 09:16 UTC 版)
「教育学部」の記事における「教員大量退職時代を迎えて」の解説
一時は教員採用数の激減によって、新課程を設置するなど存在意義があいまいになりつつあった国立大学教育学部だが、団塊の世代の教員が退職する時期となり、教員大量退職時代が来つつあるため、東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪などでは特に小学校教員が大幅に不足する事態が予想されている。 これまで文部科学省で、教員養成課程の定員増は認められていなかったが、方針転換がされて教員分野の定員抑制が2005年(平成17年)3月に撤廃された。そのため、教育学部の学生定員を教員養成系に特化する動きも出てきており、埼玉大学、宮城教育大学、京都教育大学、岡山大学、長崎大学では非教員養成系(ゼロ免課程)を廃止、愛知教育大学、三重大学、滋賀大学、奈良教育大学でも大幅に教員養成課程に学生定員を移行している。2016年(平成28年)4月に学部の新設などにより、教育学部のゼロ免課程の募集を停止し、教員養成に特化するよう改組を申請している国立大学も少なくない。またもともと教育学部であったが、学部名を改称した国立大学の中にも同様の理由で、ゼロ免課程の募集を停止した上で教員養成に特化し、学部名を「教育学部」に戻すよう申請中の大学もある。 文部科学省より、教育学部ゼロ免課程の廃止あるいは他の学部・学科との再編を事実上指示する内容の通達が出された。これによりゼロ免課程の廃止や他学科との統合が進んでいる。 2016年(平成28年)ゼロ免課程の募集停止(教員養成に特化)を申請し認可された大学 教育学部 - 弘前大学・岩手大学・宇都宮大学・千葉大学・信州大学・静岡大学・三重大学・和歌山大学愛媛大学・福岡教育大学 他の教員養成系学部(名称を教育学部に戻す) - 山梨大学・福井大学・佐賀大学・大分大学・宮崎大学 2015年(平成27年)4月入学生が卒業する2019年3月にゼロ免課程は廃止された。 2017年(平成29年)ゼロ免課程の募集停止(教員養成に特化)を申請し認可された大学 教育学部 - 茨城大学・新潟大学・熊本大学・鹿児島大学・琉球大学 他の教員養成系学部(名称を教育学部に戻す) - 横浜国立大学 2016年(平成28年)4月入学生が卒業する2020年3月にゼロ免課程は廃止される。 2018年(平成30年)ゼロ免課程の募集停止(教員養成に特化)を申請し認可された大学 教育学部 - 香川大学 2017年(平成29年)4月入学生が卒業する2021年3月にゼロ免課程は廃止される。 一方、宇都宮大学と群馬大学は教員志望者の資質向上などを目的に、両大学の教育学部を2020年より「共同教育学部」としてカリキュラムの相互受講(在籍外の大学についてはオンライン)などを可能としている。
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