政党制度の憲法適合性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:35 UTC 版)
法律上の政党とその他の政治団体・無所属候補の扱いの差は大きく、主として以下のような相違点がある。 法律で認められたポスター・ビラ枚数や選挙カーの台数に差がある。 政党候補者は衆議院議員総選挙および衆議院議員補欠選挙では選挙区で政見放送に出演できる。 参議院議員通常選挙の選挙区における政見放送において政党所属候補および推薦候補は持ち込みビデオ方式が認められる(それ以外の候補はスタジオ録画方式のみ)。 政党候補者は総選挙で比例区の重複立候補が認められる。 政党は比例区に1人からでも候補を立てられる。 政党は企業(法人)からの政治献金を受け取ることができる。 政党とその資金管理団体への寄付は政党等寄附金特別控除の対象となる。 政党は比例区の選挙において既存政党と同一・類似の略称が使用できる。。 2005年(平成17年)の第44回総選挙後、選挙無効の訴訟が起こされた。この訴訟で原告は、一票の格差の他、公職選挙法における政党候補と非政党候補の格差は憲法14条1項の法の下の平等に反し違憲であると主張した。しかし、東京高裁で原告は全面敗訴。2007年(平成19年)6月13日、最高裁判所大法廷(島田仁郎裁判長)は12対3で原告の上告を棄却し、高裁判決が確定した(2005年衆院選合憲判決)。判決では、「政党は、議会制民主主義を支える不可欠の要素であって、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体である」から、非政党候補との格差は「合理的理由に基づくと認められる差異」の範囲内であるとした。また、衆議院小選挙区における政見放送の非政党候補の締め出しについては、「選挙制度を政策本位、政党本位のものとするという合理性を有する立法目的によるもの」と判断した。 その他、政治資金規正法上の政党に該当すると団体献金が受けられるようになる等の点で差異があり、政党助成法上の政党になれば政党法人格付与法に基づき法人格の取得が可能になり、国から政党交付金が受けられるようになるなど、ほかの政治団体と異なる扱いがなされている。
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