操作とキャンセルについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 23:08 UTC 版)
「クラッチスタートシステム」の記事における「操作とキャンセルについて」の解説
この装置がついている車では、従来自動車教習所で教えられていたような、踏切内などでエンジンの始動ができなくなった状態からの脱出法の一つ、「スターターモーターで強引に車を動かす」(ギアを入れてクラッチをつないだままエンジンを始動する操作を行うことで、車を移動できる)という手段が使えない。このため、クラッチスタートシステム装備車の取扱説明書には「車を置いたままなるべく早く線路内から退避し、踏切の非常ボタンを押す(あるいは発炎筒を焚く、赤色灯を振るなど)」とあり、二次的な事故の防止を最優先している。 従来より、教習所では踏切内でエンストの原因となる変速操作自体を行わないよう指導されており、手前で一時停止し、ローギアのみで踏切を通過することを推奨している。踏切内変速は技能試験・技能検定での減点対象である。また適切に整備された自動車がそれ以外の理由で踏切内に立往生することは極めて稀である。長大なトレーラーや車高を下げすぎた乗用車がカマボコ型の踏切内で身動きが取れなくなる場合がある程度である。 トヨタ・ランドクルーザーなど、一部の本格SUVでは、オフロード走行時に困難な状態にも対応できるように、ボタン操作によって、一定時間内に一度だけなど一定の条件でクラッチスタートシステムを解除するクラッチスタートキャンセルスイッチが装備されている。 またこのクラッチスタートシステムは、クラッチペダルが踏み込まれていることを感知するスイッチを誤認識させることで解除することができる。ただし、クランクシャフトを支えるスラストベアリングのごくわずかな磨耗を防止することやリモートエンジンスターターが利用できるということのほかに利点はなく、安全性から決して勧められた行為ではない。 本システム装備車の場合、クラッチペダルのスイッチ回線に手動式の隠しスイッチを割り込ませることで、たとえエンジンキーがあっても、その隠しスイッチをオンにしなければエンジンが始動できなくなるという簡易的な盗難防止装置としても流用できる。
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