描かれた例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 18:05 UTC 版)
ゴルゴネイオンが最初に描かれたのはギリシャ美術においてであり、紀元前8世紀になってすぐのことである。最初期の例は、ギリシアのパリウム(英語版)で発掘されたエレクトロン貨の一種スタテルに描かれたものである。同じく紀元前8世紀の例がティリンスでも見つかっている。さらに時代を遡った紀元前15世紀、クノッソスの宮殿からも似たような描写が見つかっている。20世紀末の考古学者マリヤ・ギンブタスは、その原型が少なくとも紀元前6000年のセスクロ文化(英語版)にまで遡れると語っている。 6世紀になると、ゴルゴネイオンはコリントスなどのギリシア寺院で見られるライオンのような表情のものが多くなった。シチリアでは屋根の一部ペディメントにゴルゴネイオンが描かれることが多かった。その最も初期の例は、シラクサのアポロ神殿(英語版)で見られる。紀元前500年ごろには大掛かりな建築物にあしらわれることは少なくなったが、アンテフィクサのような小さな建物の屋根にはまだ使われた。 寺院以外では、ゴルゴーンの肖像は衣装、皿、武器、硬貨などの装飾として、地中海周辺、つまりエトルリアから黒海の辺りで使われた。ゴルゴーンをあしらったコインは37の都市で作られ、オリュンポス十二神にやや劣るもののかなりの例が残されている。モザイク模様の床に魔除のように描かれたゴルゴネイオンもあり、多くは入口からすぐの箇所に描かれた。アッティカでは災難が発生するのを防ぐために窯の扉に描かれた。 ゴルゴーンのイラストはキリスト教の信仰が深い地区で人気があり、特に東ローマ帝国やキエフ大公国で好まれた。イタリアルネサンスの芸術家が再び取り上げ、西にも広まった。近年では、ジャンニ・ヴェルサーチが服飾会社のロゴとして採用している。
※この「描かれた例」の解説は、「ゴルゴネイオン」の解説の一部です。
「描かれた例」を含む「ゴルゴネイオン」の記事については、「ゴルゴネイオン」の概要を参照ください。
- 描かれた例のページへのリンク