抽象的なモチーフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 09:51 UTC 版)
詳細は「イスラーム美術の装飾的モチーフ(フランス語版)」および「アラブの幾何学文様(英語版)」を参照 イスラーム美術では偶像の制作が忌避されており、その結果として抽象的・装飾的な美術表現が発達した。こうした美術形式における抽象的・装飾的なモチーフは無数にあり、幾何学文様(フランス語版)から、蔓草の植物文様(アラビア語でタウリーク、ペルシア語でイスリーミー)まで変化に富んでいる。蔓草模様は植物の成長やリズムを視覚的に図像化し、楽園の庭を表現する意図がある。 その他にイスラーム美術を特徴づける幾何学的パターンとして、特にマグリブではハタムと呼ばれる8回対称の星形のパターンを駆使したタイルを作る。マグリブでカットしたタイルから作るモザイクはゼッリージュ(英語版) と呼ばれる。ゼッリージュは8回対称の星(ハタム)と6角形(サフト)によって骨組を作り、その中をさまざまな形のタイルで埋める。タイルの色は中世では数色だったが、次第に色数が増えていった。 タイルで表現する際に三角形、正方形、正六角形などは作りやすく、技術が発達するにつれて、困難な五角形の表現も可能となった。正十角形と正五角形を組み合わせたパターンが考えられ、ペルシア語で結び目を意味するギリーとも呼ばれている。 ファーフェズ廟(英語版)のドームの天井に描かれた幾何学文様 植物文様の装飾パネル。イズニク、16世紀後半 ゼッリージュのタイル ギリーに使うギリー・タイル(英語版)の配置例。タイルの組み合わせによって複雑なパターンが生まれる 石の格子細工であるジャリ(英語版)が施されたサリーム・チシュティー廟(英語版)の窓。ファテープル・シークリー、16世紀
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