手動式半自動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 15:30 UTC 版)
旧来鉄道車両の乗降扉は手動であったが、ドアエンジン駆動式の自動ドア導入後、開閉操作は車掌や運転士が扱い、扉は開放か閉状態のまま固定され、非常時(異常時)以外は手動での開閉はできない。本方式は車掌が車掌スイッチを開操作して各扉を開錠するとステップ灯と車側灯が点灯してドアエンジンのエアシリンダーが開放され、乗降時に乗客による手動開閉が可能となるもので、乗降扉には取手が配置され「手で開けて下さい」などと表記されている。一斉扉閉は車掌スイッチの閉操作で扱われるため、通常時は乗客が手動で開閉させることはできない。 国鉄の一般形・準急形・一部の急行形気動車や、極寒地・寒地向けの近郊形電車に広く採用され、転属で寒冷地仕様にされた旧形国電などでも広く見られたが、現在それらは廃車ないし後述のボタン式半自動ドアへと改造されたため、JR東日本管内の115系や、JR西日本管内の117系やキハ120形など一部のローカル線用車両、および上信電鉄に譲渡された700形(元JR東日本107系電車)などで見られる程度になっている。 車両側に特別な装備を必要としない類似する簡便法として、客扱い終了後に全扉を閉めてから係員や乗務員が非常コックを操作して乗務員室付近の客扉を手動開閉する事例がある。JRでは、ホームライナーの乗車駅で乗車口を限定した場合や、特急白鳥・スーパー白鳥が竜飛海底駅や吉岡海底駅で見学客を乗降させる場合に、名古屋鉄道や近畿日本鉄道では通勤形電車での長時間停車時に行われており、箱根登山鉄道では、プラットホーム有効長が約49メートルの風祭駅で、2008年(平成20年)3月14日まで小田急電鉄の車両の箱根湯本方2両で乗降客を扱う場合に用いていた。
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