手作り品と健康被害や感電事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 10:02 UTC 版)
「電気パン」の記事における「手作り品と健康被害や感電事故」の解説
食品衛生法の規定に基づき、厚生労働省が告示した「食品,添加物等の規格基準」第3のAの6には、次の規格が定められている。 電流を直接食品に通ずる装置を有する器具の電極は,鉄,アルミニウム,白金及びチタン以外の金属を使用してはならない。ただし,食品を流れる電流が微量である場合にあつては,ステンレスを電極として使用することは差し支えない。 上記規格に合わない電気パン焼き器の販売、販売のための製造、営業上の使用などは、2020年現在、日本国内において、禁じられている。上記規格に合わない電気パン焼き器を手作りし、個人的にのみ使用することは、禁じられてはいないが、自己の健康を害する可能性に注意する必要がある。 電極板に用いられる金属は、磨いた鉄板が望ましい。ブリキ、ジュラルミン、真鍮、銅などでは有害物質が溶け出し、食中毒の恐れがある。実際に亜鉛引きトタンを用いた「電極応用パン」による中毒事件が1946年6月に東京都渋谷区で起きている。この新聞記事中では、警視庁衛生検査所の技官より「トタン製のものは紙やすりで表面の亜鉛を取り去ってから使ってもらいたい」というコメントが記載されている。また同年7月、議員傍聴人食堂でも腐敗した材料と亜鉛が原因で30名が食中毒を起こしている。電極にアルミ箔を用いた場合、アルミニウムが電気パンに溶出する問題がある。電極にステンレス鋼板を用いた場合、重金属のクロムが電気パンに溶出することが確認されており、電極付近を食べないように注意する。 全国パン粉工業協同組合連の清水康夫による2008年の論文では、電極板にチタンを使用した場合、パンの中にはチタンが検出されなかった、とある。電極板からの金属の溶出の問題を回避するため、板状に切断した備長炭を電気パン焼き器の電極板として使用した報告もある。 また感電などの事故の可能性も高いので、軍手などの手袋の使用を注意事項として挙げている場合がある。
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