慣習と傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 20:43 UTC 版)
履歴書を一律に指定する法律は無いため、求められる書式や作成方法は一定ではない。日本の場合、一部の企業や公共職業安定所(ハローワーク)などは「手書き」(自筆)で記載するよう指示しているが、パソコン(ワープロ・表計算など)で作成し、印刷したのを持参するか、電子メールに添付し送信するよう求める場合もある(パソコンやプリンターがなく、または電子メールが利用できない場合は、手書きでも構わない)。 求人情報などで履歴書の提出を求める場合、 手書きのみ(パソコンでの作成は不可) 手書き、パソコンでの作成のどちらも可 パソコンでの作成のみ(やむを得ない場合は手書きも可) パソコンでの作成のみ(手書きは不可) のどれにすればよいかを指定することがほとんどなく、応募者も判断に迷うため、インターネット上でも「パソコン」と「手書き」のどちらが良いかで論争が巻き起こっている。完全な結論には達していないものの、少なくとも現在は手書き→パソコンへの過渡期を迎えており、2005年時点で、パソコンを許容する企業も約95%を占めるようになった。 手書きで履歴書を作成すると、手間と時間はかかるが、パソコンであれば短時間で同じものが何枚も作成(複写)できるうえ、誤字や内容の変更(作成時の日付、住所の変更、資格の追加、通勤にかかる所要時間、志望動機など)も容易に修正できる。つまり、パソコンを使用した方が、より多くの企業に応募ができるため、そういった意味ではパソコンで履歴書を作成した方が有利と考えられ、さらにパソコンがある程度扱えるという証明にもなるが、前述通り「短時間で大量に作成できる」ことから、およそ半数の採用担当者は手間をかけた「手書きの履歴書の方を評価する」という調査結果もある。 また、「手書きの文字には人柄が表れる」という考えの下で、あえて「手書きの履歴書のみ」という条件をつけ、それ以外は採用しないという企業もある。手書きを条件とする企業は、文化的な職種や創業年数の古い「老舗」と評されるような、伝統を重んじる企業が多い傾向にある。 「手書きに手間と時間をかけるのを嫌うことで、応募者が減る」ため、人事側としては手間が省ける。しかしながら、「手書きの履歴書を書いてくる応募者」が「そうでない応募者よりよい」人材ということは一概に言えず、他の部署にとっては、自ら選択肢(応募者)をわざわざ狭めているため、企業全体としては、むしろマイナス要因とも考えられる。
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