慣習への挑戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 16:49 UTC 版)
ロクセラーナは自身のため、スレイマン1世にオスマン帝国の慣習を次々と破らせた。まず、オスマン帝国では1人の女性がスルタンとの間に男子を2人以上産むことは許されず、ひとたび男子を産んだ女性はスルタンから遠ざけられるという慣習があった。しかし、スレイマン1世はロクセラーナが男子を出産した後も側に置き続け、最終的にロクセラーナとの間に5人の男子を儲けて正式な妻に迎えた。 オスマン帝国では14世紀後半に在位したムラト1世以来、妃と法的な婚姻関係を結ぶスルタンは存在しなかったが、ロクセラーナはこの慣習を破らせることにも成功した。婚姻関係を結ぶに当たり、スレイマン1世はロクセラーナを奴隷の地位から解放する法的手続きをとったという。ロクセラーナはさらに、自らの地位を脅かしうる美貌の側室数人を降嫁させ、事実上の一夫一婦の関係を構築して自らの地位を盤石なものとした。2人の関係に対するイスタンブール市民の反応について、イタリア人のバッサーノは「スレイマンのロクゼラナに寄せる愛情と信頼の深さは、すべての臣民があきれかえるほどで、スレイマンは魔法にかかったとさえ言われている」と書き記している。 また、ロクセラーナは1541年、自らが従える女奴隷や宦官とともにトプカプ宮殿内のスレイマン1世の居住区画に住むことを許された。
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