思想と文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/28 18:13 UTC 版)
ホセ・マルティは活発な独立思想家であり、その思想は多く彼の文学作品に反映されている。彼はその思想のために各地を転転とする生活を余儀なくされたが、妻のカルメンはこれに耐え切れず、マルティが米国に移住する前に二人の子供を連れ彼の下を去っている。この事はマルティを精神的に傷付けたが、その逆境を乗り越え自分の息子に捧げた名作「イスマエリーヨ」を完成させた。また、放浪の生活にあってもその創作意欲は衰える事無く、多くの作品を残している。 マルティは生前、キューバ独立のために宗主国スペインと激しく対峙したが、その一方で青春の日々を過ごしたマドリードやサラゴサを非常に愛していた。スペインを舞台に彼は戯曲「姦通者 Adúltera」を執筆している。 また、アメリカ主義を主張したマルティだが、彼のアメリカとは正にラテンアメリカに他ならず、マルティはアメリカ合衆国がラテンアメリカの独立運動に干渉することを非常に嫌っていた。マルティは米国に滞在中、米国政界のキューバに対する姿勢に幻滅し、以後米国のラテンアメリカに対する干渉に強固に反対するようになった。マルティは生前に著作「我等のアメリカ」(1891)の中で米国のラテンアメリカに於ける覇権拡大を強く懸念しているが、実際に彼の懸念は独立後のキューバに於ける米国の実質的な支配、20世紀を通してのラテンアメリカに於ける米国の影響力の拡大という形で現実となる。
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