強盗・窃盗事件多発問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:06 UTC 版)
「ゼンショー」の記事における「強盗・窃盗事件多発問題」の解説
すき家における強盗事件多発問題は、すき家が吉野家を抜いて牛丼チェーン店首位に立った2008年頃から表面化し始めた。 警察庁の資料によると、2010年のすき家における強盗被害の件数は57件で、飲食店を狙った強盗被害の総数121件の半数近くをすき家が占めた。また同じ店舗で強盗が3回入ったり、1日に各地で強盗が4件入る例も発生した。同時期に、インターネット上の掲示板にて「強盗マニュアル」が流布されており、話題となった。 こうした状況を踏まえ、2010年に愛知県警察がゼンショーへ10回以上も業務改善要請(防犯ベルと店外の赤色灯の設置などを)を出した他、警察庁も2010年11月に防犯対策の強化を口頭で要請するなど、異例の対応が取られた。 ゼンショーはこうした現状について「すでに十分な対策をとっている」と述べていたが、警察庁が2011年6月に調査したところ、ほとんどの店で改善が見られなかった。 このため、2011年10月13日に警察庁生活安全局生活安全企画課は、ゼンショーに防犯体制強化を文書で要請した。これを受けてゼンショーでは防犯対策強化の一環として、2012年3月末までにすき家での深夜の一人勤務体制を解消すると発表した。 これに関連して、警察庁は2011年10月25日深夜から10月26日未明にかけて、全国一斉の抜き打ち防犯調査を実施し、防犯体制の調査や指導を行った。2011年12月15日には、店員が首から吊り下げる小型ペンダント状のワイヤレス非常通報機器をすき家全店舗に導入。2012年1月には2度目の防犯体制調査が行われ、各都道府県警がすき家店舗を訪問して進捗状況を確認した。 その後も、深夜に一人勤務している際に強盗に襲撃されるケースがしばしば発生した。ピークであった2011年に比べると、2012年以降は牛丼店への強盗の発生件数自体は半減したものの、依然として全体の発生件数のうち、85%をすき家が占める状態にあった。 すき家が強盗や窃盗の標的になる理由として、深夜に店員が1人になる時間帯があること、キャッシュレジスターが出入口付近の1か所にのみ設置され、そこに現金が集約されていること、ほかの牛丼チェーンと比べカウンター内部に入りやすい構造となっていること、夜間に人通りが少なく逃走しやすい郊外型店舗が多いこと、警備会社と契約していない店舗があることが指摘されている。 ゼンショーは2014年9月30日、24時間営業の店舗は複数の従業員を配置する、深夜営業休止の店舗は機械警備を導入して、防犯を強化する強盗対策を発表した。
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