建物の倒壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:40 UTC 版)
東京市内の建造物の被害としては、凌雲閣(浅草十二階)が大破、建設中だった丸の内の内外ビルディングが崩壊し作業員約300名が圧死した。さらに大蔵省・文部省・内務省・外務省・警視庁など官公庁の建物や、東京帝大、帝国劇場、日本橋三越本店などの教育・文化・商業施設の多くを焼失した。神田神保町や帝大図書館、松廼舎文庫、大倉集古館も類焼し、多くの貴重な書籍群や文化財が失われた。 震源に近かった横浜市では、官公庁やグランドホテル、オリエンタルパレスホテルなどが石造・煉瓦作りの洋館であったことから一瞬にして倒壊し、内部にいた者は逃げる間もなく圧死した。さらに火災によって、外国領事館のすべてを焼失、工場・会社事務所も90%近くを焼失した。千葉県房総地域の被害も激しく、特に北条町では古川銀行・房州銀行(ともに現在の千葉銀行の前身の一つ)が辛うじて残った以外は郡役所・停車場などを含むすべての建物が全壊。測候所と旅館が亀裂の中に陥没するなど、壊滅的被害を出した。 なお地震後も気象観測を続けた中央気象台(現在の気象庁、位置は現在とほぼ同じで若干濠寄り)では1日21時ごろから異常な高温となり、翌2日未明には最高気温46.4度を観測している。このころ気象台には大規模な火災が次第に迫り、ついに気象台の本館にも引火して焼失し多くの地震記録を失った。気象記録としては無効とされ抹消されているものの、火災の激しさを示すエピソードである。
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