布設工法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 04:43 UTC 版)
下水道に限らず、細長い設備を施工する事を布設と呼ぶようだ。工法によっては特定の管種と関連が深い。 開削工法 最も基本となる工法で、歴史も長い。非開削工法でも立坑は開削工法による。 まず地面に鋼矢板を並べて打ち込み、間を掘削して溝を作る。底に砕石やセメントで基礎をつくり、その上に管渠を組み立てて行く。管種、布設長、周辺状況に最も柔軟に対応できるが、道路の下に布設する場合は通行止めの範囲と期間が最も長くなる。このため、交通量が多い幹線道路では非開削工法による事が多い。 シールド工法 径が1.35mを超える大規模幹線で採用される、地下鉄の建設で多用される工法。シールドマシンが掘った内壁にセグメントを並べ、管渠をその場で構築してゆく。 推進工法 19世紀末にアメリカで開発され、下水道には昭和28年から採用された。 まず管渠の布設深度まで2本の縦穴(発進立坑と到達立坑)を設置し、大型油圧ジャッキを発進立坑の底に据える。次いで両端にネジを切ってある推進工法専用管を、到達立坑へ向けて地中に油圧で押し込んでゆく。一本を押し込み終えたら次の管を後ろにネジ込み接続し、これを繰り返す。先端が到達立坑に達したら油圧ジャッキをこちらへ移設し、新たな発進立坑として次の到達立坑へ向け推進を開始する。旧発進立坑にはマンホールなどを施工する。 布設計画線の深度が大きかったり、地表に建造物がある場合などに効果的な工法で、騒音・振動も少ない。地表の専有面積が小さく、交通に与える影響も抑えられる。先端での掘削や土砂の排出方法に様々な改良法が実用化され、適用範囲拡大や精度向上がはかられている。 刃口推進工法 従来法で、先頭管にはカッター(刃口)を取り付け、管内に人が入って先端部で掘削作業を行う。 セミシールド工法(密閉式・機械式推進工法) 昭和40年頃、シールド工法の技術を導入して開発された。先端に掘進機を設置し管内は密閉される。泥水式、土圧式、泥濃式がある。 小口径管推進工法 先導体(切羽)に推進管(二工程法では細い誘導管)を接続し、発進立坑から遠隔操作する。管種により高耐荷力方式、低耐荷力方式、鋼製さや管方式があり、さらに掘削・排土・埋設方法により、圧入方式、オーガ方式、泥水・泥土圧方式、ボーリング方式(鋼製さや管方式のみ)がある。 改築推進工法 最近普及し始めた管渠更新専用の工法。掘進機で老朽管を砕きながら推進する。
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