市民オンブズマン活動を行う市議に対する辞職勧告決議
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「弥富市議会」の記事における「市民オンブズマン活動を行う市議に対する辞職勧告決議」の解説
2005年頃から住民監査請求を続けてきた加藤明由は、弥富市役所の新庁舎建設を巡り、「補償金が違法」「通常より高すぎる」などとして2013年と2018年に住民訴訟を起こした。前述のごとく2019年8月には、大原功市議所有のアパートの市有地不法占拠問題につき住民監査請求をするなど市民オンブズマン活動を積極的に行ってきた。 2020年2月16日の市議選で加藤明由は初当選。市役所新庁舎は同年2月末に完成。 同年7月22日、加藤らによる損害賠償請求住民訴訟の訴えは却下され、原告は控訴を断念した。同年9月、佐藤高清(政新会)は「当選前に住民訴訟を起こし、オンブズマン活動で市に大きな負担を負わせた」として、加藤に対する辞職勧告決議案を市議会に提出。9月23日に行われた採決で賛成7、反対7と同数となったが、政新会所属の大原功議長の裁決により原案どおり可決された。 佐藤高清は「訴えが却下されたにもかかわらず謝罪をしなかった。これ以上、話し合いの余地がないと判断して決議案を出した」と説明するが、当該辞職勧告決議についてはメディアも大きく取り上げ、各界から批判の声が集中した。以下はその例。 全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士は「オンブズマン活動を理由に議会が議員辞職勧告決議をした事例は聞いたことがない」「議会の職務である監視機能を否定した自殺行為だ」と述べ、代表を務める名古屋市民オンブズマン名で、市議会に撤回を求める申し入れなどを行う意思を示した。 東海地方の女性議員らでつくる「女性を議会に!ネットワーク」は10月20日、同様の申し入れを市議会にした。 早稲田大学マニフェスト研究所の中村健事務局長は「議員になる前のオンブズマン活動を理由にした辞職勧告決議は、被選挙権に制限をかけ、憲法にも反するのではないか」と指摘した。 オンブズマンと議員の活動を続ける豊橋市議の寺本泰之は「めちゃくちゃな決議で驚いた。私なら名誉毀損で訴える」と怒りをあらわにした。 名城大学の昇秀樹教授は「議員活動と別に社会活動としてオンブズマンをするのは全く問題がなく、むしろ二重のチェックができる。議会の本質をわきまえない恥ずかしい決議だ」と述べた。
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