差し込み式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 16:28 UTC 版)
穴にリード線を差し込むタイプで、歴史で説明したように、1971年にRonald J.Portugalが特許を取得した。特許取得から20年後にいわゆる「特許切れ」になって誰もが自由に製造できるようになって以降に(つまり1991年以降に)、製造者が次第に増えてゆき、次第に普及しはじめた。(かつてはソルダーレスでもワイヤラッピング方式もあったのだが)現在ではソルダーレス式では差し込み式しか実際上は使われていないので、差し込み式のことを「ソルダーレス」と呼んでしまうことが多い。 ソルダーレスタイプのブレッドボードは、回路の変更が瞬時に自在にできる。素子を抜いたり差すだけで交換することができる。また、ジャンパーワイヤーの抜き差しで回路変更も自在である。回路の試作・実験用、また電子回路に関する学習・教育用として広く用いられている。 穴の間隔が、(基本的に)汎用のIC(集積回路)の足の間隔(DIP ICピッチ。2.54ミリ)と一致しており、ICもそのまま差しこむことができる。 複数のブレッドボードを並べて互いに接続して用いることもできるので、大規模な回路も組むことができる。 不向きの回路 ただし、差し込み式のブレッドボードはその性質上 若干の制約があり、大きな寄生容量(回路によっては寄生インダクタンスも)があるため高周波回路(おおむね10MHz以上)には向かず、また接点の抵抗のため大電流を流す回路(おおむね500mA以上)にも向かない。 ソルダレス・ブレッドボードの断面。ピンを差し込むことで電気的につながる(「導通」する)。 大きめのソルダレス・ブレッドボードでバイナリ・カウンタを組んだもの ソルダーレス・ブレッドボード上で組んだ回路の例。 ソルダレス・ブレッドボードで4-bit 加算器(LEDつき)を組んだもの 複数のブレッドボードと8088(16bit CPU)などを用いて大規模な回路を組んだ例。 ソルダーレス・ブレッドボード内部には、緑色の線で示すように導体が埋め込まれており、緑色の線上の穴は互いに電気的につながっている。 ソルダレス・ブレッドボード上の回路の挙動を測定器で調べている様子 ジャンパー・ワイヤー(英語版)。ブレッドボードの結線に適した電線。端が針のようになっていて簡単にブレッドボードの穴に容易に抜き差しできる。写真は両端がオスになっているタイプ。
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