島の生態系の回復
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/09 16:14 UTC 版)
「フェニックス諸島保護地域」の記事における「島の生態系の回復」の解説
島には侵略的な外来種が存在しており、その有害な影響としては、土着の動植物を抹殺してしまうことを挙げることができる。それは、卵や幼い個体を損なうことや、外来植物がほかの植物に取って代わり、生態系を変貌させることで起こる。入ってきた動植物には、太平洋の他の島やアジアに由来するネズミのほか、ネコ、イヌ、アナウサギ、ブタ、アリ、中南米原産のランタナなどが含まれる。 フェニックス諸島では1960年代に動植物についての包括的な調査が行われて以来、同種の調査は長らく行われてこなかったが、有害な外来生物の侵入の規模および生態系回復の可能性を確定するための新たな調査が、2006年に実施された。その調査の結果、害獣(特にラワキ島の野生化したウサギとマッキーン島のネズミ)をPIPAから取り除くべき事が決定された。2002年ごろにはアジア産のネズミがマッキーン島にコロニーを形成していたが、その時期は明らかにあるトロール漁船が島に難破した時期と重なる。2006年の調査において、ウミツバメたちのかつての豊かな個体数を実質的に激減させたものは、そうしたネズミによる捕食だったことが明らかになった。一方、ラワキ島のウサギは、鳥たちにとって必要な資源を取り合ったり、全般的に損なわせるとともに、巣を踏み潰していたのである。 PIPAの島々での生物多様性回復の第一歩として、2008年半ばにラワキ島とマッキーン島でウサギとネズミの掃討作戦が行われた。2009年11月から12月の科学者たちによる調査では、撲滅プログラムが順調であることが示された。プログラム実施に対する植物や鳥たちの反応は顕著なもので、科学者たちは過去10年間では初めて、マッキーン島の海鳥たちが営巣に成功したことを見出した。同じ頃、ラワキ島では植生の回復のおかげで、ハイイロアジサシのような鳥たちが、島じゅうで営巣に適した場所を見つけられるようになった。グンカンドリも、回復した植生の上に営巣している。プロジェクトでは、これらの回復のための努力が、固有種のミズナギドリのような他の重要な鳥たちの個体数の回復にも寄与することが期待されている。2011年7月には、エンダーベリー島とバーニー島の外来種のネズミを標的とした、第2次撲滅作戦が首尾よく実行された。
※この「島の生態系の回復」の解説は、「フェニックス諸島保護地域」の解説の一部です。
「島の生態系の回復」を含む「フェニックス諸島保護地域」の記事については、「フェニックス諸島保護地域」の概要を参照ください。
- 島の生態系の回復のページへのリンク