島の生物相の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 07:33 UTC 版)
島の生物相の特徴として、大陸島、海洋島を通じて次のようなものがある。 固有種が多い事:その島のみに生息する生物種が多い。これは、海を隔てているために個体群が隔離されている事、および島においては個体群の規模が小さい事がその理由と考えられる。その個体群に生じた突然変異は、遺伝的浮動によって個体群内に広まることがある。このようにして生じた変異が次第に蓄積されることが、新たな生物種が生じる一因になると考えられている。 生きている化石的な生物が見られる場合がある。大陸では、どこかで新しい型の生物が進化すれば、それによって古い型の生物が絶滅させられる事が多い。しかし、孤立した島で、そのような生物が残る場合がある。オーストラリアの有袋類は、その大規模な例である。 特定分類群の適応放散現象が見られる事。特に海洋島では、分類群の組成にいびつな場合があって、ある一群の生物が、やたら種類が多かったり、形に変化が多かったりといった現象が見られる。これは、住んでいる生物種が少ない中で、他の地域では別の分類群が暮している場(生態的地位)があいているために、それを埋めるように存在する生物群のものから、色々な生活をするものが分かれて来るためと考えられ、これを適応放散と言う。ガラパゴス諸島のダーウィンフィンチなどがその例である。 飛行能力のある動物で、飛べないものが出現しやすい。具体的には、鳥と昆虫であるが、島に生息する種では、飛べなくなったものが往々にして見受けられる。これは、捕食者がいない場合、飛ぶ必要がないので飛ばなくなった事と、島では、うっかり飛べると島外へ出てしまい、死亡する確率が高いためともいわれている。沖縄のヤンバルクイナもその例であるが、クイナ類は、太平洋諸島のあちこちで、飛べない種を輩出している。
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