大洋島としての特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 09:19 UTC 版)
「小笠原諸島の自然」の記事における「大洋島としての特徴」の解説
小笠原諸島における生物相の特徴の多くは、これまで大陸などと地続きになったことがない大洋島の生物相の特徴と一致する(島嶼生物学を参照)。大洋島では海を渡って到達できる種に制限があり、小笠原諸島では生育に淡水が欠かすことが出来ない両生類や、種子が海を渡ることが困難なシイやカシ類が存在しない。そして到達して子孫を増やすことが出来る種は偶然性によっても左右されるため、哺乳類や裸子植物は一種のみ、爬虫類も2種のみといったように通常の生物相ではおなじみの種が見られないという不調和が存在する。このために一面では生物相が貧弱であるとの評価も成り立つが、小笠原に到着して環境に適応した種は、著しい適応放散により多くの種が分化した。 そして多くの森林で主要種となっているブナ科やマツ科の植物が見られないため、どちらかと言うと通常の生態系では脇役であるトベラ属、クスノキ属、イヌビワ属などが勢力を広げ、またオオカミやトラなどといった肉食動物やウシやウサギなどといった草食動物も見られないため、捕食者に欠ける生態系となって毒草や棘を持つ植物が少ないなど防御能力の低下をもたらした。その結果として外来種の侵入に脆弱な種が多くなった。
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