尾張・三河の花のとう
名称: | 尾張・三河の花のとう |
ふりがな: | おわり・みかわのはなのとう |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | |
選択年月日: | 1996.11.28(平成8.11.28) |
都道府県(列記): | 愛知県 |
市区町村(列記): | |
代表都道府県: | 愛知県 |
備考: | |
解説文: | 花のとうは、花の頭・花の塔・花の撓・花堂などと書かれ、また「おためし」とか「五月八日」などとも呼ばれる行事で、愛知県では名古屋を中心に主に旧暦四月八日に行われている作占いの行事である。神社や寺の境内に「農人形」あるいは「おためし」などと呼ばれる箱庭風の飾り物がつくられ、参詣人はこの形によってめいめいその年の作物ごとの豊凶を占い、これから作付けする作物の品種選定の基準にしている。 とりわけ名古屋市熱田神宮の「花のとう」が名高い。熱田神宮では五月八日から十三日の豊年祭に、神楽殿前にある西楽所【にしがくしよ】につくられた農作業の風景の飾り物が公開される。現在では神職がこの造作を担っているが、江戸時代には氏子の頭人がつくるのを例としていた。飾り物は東西に分かれており、東側には田所、西側には畠所が配される。それぞれ米作や畑作の状況が示されているものとして、参詣者は、人形や建物の配置や衣裳の色、作物や背後の風景などの状況をめいめいで判断して、作物の豊凶を占うものである。神社からは飾り物の状態を描いた絵札が出され、これを手本に地域で「農人形」の飾りを行うところが名古屋を中心に豊田市・岡崎市・安城市・高浜市・半田市などに、また別系統のものが津島市・豊川市などに、合計二〇か所から三〇か所伝承されてきた。この行事は急速に衰退しているところがあり、記録作成の措置が求められる。 |
社会生活(民俗知識): | 大原八幡宮の米占い行事 対島の亀ト習俗 小畑のおためし 尾張・三河の花のとう 年齢階梯制 浜中のケヤキキョウダイ 烏喰の行事 |
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