小文字を使う理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 04:29 UTC 版)
倍量のSI接頭語の記号のうちメガ(記号: M、106)以上の記号は大文字であるが、デカ (da)・ヘクト (h)・キロ (k) は小文字である。これは、倍量には大文字を使うという決まりができる前にすでにデカ・ヘクト・キロが定められ、また、小文字で定着していたためである。 しばしば"Kg" "KG"(キログラム)、"Km" "KM"(キロメートル)などと表記されることがあるが、これらは誤りで、正しくは"kg" "km"である。大文字の「K」は、熱力学温度の単位であるケルビンの記号であるため、"Kg", "Km"と記述した場合は、「ケルビン グラム」「ケルビン メートル」と誤読される可能性がある。なお、大文字「K」を用いることに計量法上の罰則が伴うものではない。SI単位等普及推進委員会と通商産業省(現:経済産業省)計量行政室は次の問答を作成している。 質問:接頭語のキロに大文字のKを使用することは可能か。 回答:SIのルールでは、大文字のKは温度の計量単位であるケルビン (K) を表す記号ですので、誤解を生む要因となります。したがって、正しく小文字のkを使用すべきです。特に、欧州やISOなどでは、記号も含めて整合性を求められますので、正しい記号を使用することをお薦めします。 なお、計量法は、計量単位記号については、標準となるべきものを定めていますので、大文字のKを用いることに罰則が伴うものではありません。 日本の一般道路の道路標識では、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」により、"Km"(頭文字を大文字)と標示するよう定めていたが、 2008年(平成20年)8月1日以降、"km"(頭文字を小文字)と標示するように省令が改正された。なお、高速道路での案内標識は、新設当初から"km"(頭文字を小文字)と標示している。
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