宿泊事情
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麗水市内は、多くの万博入場者に対応できる宿泊施設の数が大幅に不足している状況だった。同市内では、ホテル・リゾート施設や、民宿・モーテルの新築・改装などが行われた。万博会場の南側には、VIP宿泊者を主な対象とした『MVLホテル』(地上25階、310室規模)が開業するなど、高級宿泊施設17ヶ所1800室が新規建設された。それでも、万博期間中の宿泊需要と比べると施設が不足するため、順天市や光州市、晋州市、釜山市など、麗水から2時間圏内である周辺地域の宿泊施設にも需要を分散した。麗水万博組織委員会は、周辺地域で施設やサービスに優れた宿泊施設を、「エキスポ公式宿泊業者」に指定した。指定された宿泊施設の数は、607カ所1万7152室(2012年4月23日時点。内訳は、観光ホテル75カ所、コンドミニアム・リゾート16カ所、ペンション/休養林158カ所、モーテル及び民宿131カ所など) だった。他にも、寺院への「テンプルステイ」、教会への「チャーチステイ」、村会館、農漁村体験村、ホームステイ、韓屋団地、全南大学や順天大学の寄宿舎なども宿泊施設として用意された。 万博開幕時には、麗水市内の宿泊施設や食堂の価格が、万博入場者による特需を見込んで普段よりも高騰した。しかし、会期の前半には入場者数が低迷したため、開幕直後よりも価格を下げる事例が続出した。開幕から50日が経過した7月上旬ごろまでのデータでは、観覧客の70%程度が老人や学生など日帰り団体客だったために、地元経済への恩恵は期待したほどでは無かったとの不満の声もあった。 当初は、万博会場に隣接する埠頭に旅客船を停泊させた「海上ホテル」を運営する計画もあった。ギリシア船籍の「クルーズ・ディ・エメラルド」号を使用する予定だったが、同船は1959年建造で老朽化しており、船の喫水(水面から船底までの高さ)が7.1mと、埠頭の水深6.7mよりも高いために入港が難しいことが判明した。そこで、パナマ船籍の「オーシャンエメラルド」号を使用する予定に変更したが、船舶安全認証書が無かったために、韓国へ来航することができなかった。結果的に、船舶の来航は数回にわたり延期となり、万博開催中の2012年7月には、海上ホテル計画そのものが中止になった。
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