容認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 09:28 UTC 版)
言語の規範を示すあるいは仰がれる機関(近代以降の日本では文部省・文部科学省や日本放送協会など)が必要に応じて変化を容認し、場合によっては積極的に規範を変えることさえある。 1905年(明治38年)に定められた『文法上許容スベキ事項』では、当時の書き言葉に現れていた「従来破格又は誤謬と称せられたるもの」の一部を追認した。この時に追認されたものには「〜なるもの」「挑戦するも果たせず」といった表現があり、それぞれ従来は「〜というもの」「挑戦すれども果たせず」としなければ文法的に誤りだとされていたが、これらを誤用と認識する人は現在では少なくなっている。 第二次世界大戦後には、当用漢字(のち常用漢字)によって漢字数の削減と字体の簡略化が打ち出され、現代仮名遣いによって文法や語源に関係なく現代標準語の発音通りに表記する仮名遣いに改められた(国語国字問題を参照)。1952年、国語審議会の『これからの敬語』では敬語の簡略化を図った。 2018年には、文化庁の文化審議会国語分科会が「コミュニケーションの在り方」と「言葉遣い」について検討し、『分かり合うための言語コミュニケーション』を発表している。 そもそも言語は変化するものであるとし、地域差もあれば、同じことを表現するのに複数の方法も考えられ、通用しやすい言葉遣いをする必要はあるが、伝統・標準だけが正しいとか、あるいは自分の基準以外を誤りと見なさず、他者の言葉遣いには寛容さを求めた。コミュニケーションでは、時には異なりを認め、伸び伸びとした伝え合いが求められる。
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