客層の拡大と地域おこし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:22 UTC 版)
「ローカルヒーロー」の記事における「客層の拡大と地域おこし」の解説
バブル景気期になると団塊ジュニアが生産年齢人口(15歳~64歳)に移行したため日本の子供の人口(年少人口)は急減し、バブル崩壊後には2000万人を下回って全人口に対する比率も15%程度にまで低下した。すると、ヒーロー物のテレビ番組は下火になっていった。 しかし、晩婚化した団塊ジュニアが親世代となった1990年代末からは、子供だけではなく親世代も楽しめるように工夫されたヒーローものが放送されるようになった。また、ヒーローものを嗜好するおたくが顕在化し、客単価の大きい消費者として注目されるようになった。このようにヒーローの訴求力が子供以外にも広がったこと、インターネットが普及して地方から全国に情報発信することが簡単になったこと、完成度の高い『超神ネイガー』(秋田県、2005年 - )が全国的に話題になったことなどから、ローカルヒーローは新たに地域おこしの手法として用いられる傾向が生まれ、ご当地グルメ、ご当地アイドル、ご当地キャラ(ゆるキャラ)などと共に「ご当地ヒーロー」との呼称も用いられるようになり、地域密着と全国への情報発信の装置の1つとなった。全国展開メディアのヒーローによるショーは誘致が高価である割にフォーマットが単純であり、ショーおよび撮影会程度しかコンテンツがなく、番組スポンサーや全国展開のしがらみによる硬直性ゆえに地域振興の効果が薄い。また、大半のショーはTV番組登場俳優によるセリフの録音や使用楽曲、効果音などが入った完パケによる作成であり、実際に演じるのはスーツアクターのため、企画外の内容への対応力も低い。対してローカルヒーローは時に吹き替えはあっても全てがキャラクター本人であり、マスクを脱いでもローカル番組やWEBで見た俳優本人である。さらにグリーティング手法によりショー以外の場面でも祭事に参加し、実際にヒーローが参加する、または商品を食べてみせ、時には子供たちと触れ合えるヒーローとして満足度が高い。 2012年現在では、広告代理店などが幹事に連なる「ご当地ヒーロー情報共有会」も存在しており、テレビ局系列の枠を超えたローカル局有志の手によって、放送外収入に関するノウハウ等、情報の共有が積極的に行われている。
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