定量的な尺度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 03:12 UTC 版)
外傷など意図されない意識障害の尺度としてはJCSやGCSがある。麻酔、人工呼吸器使用中など意図的に意識障害を作り出した場合はRamsay scaleやSASといった尺度がある。 Japan Coma Scale (JCS) 主に日本で用いられる評価基準。3-3-9度方式とも呼ばれる。簡便であるが、中毒患者や精神疾患など意識の内容の変化や意識変容に対して正確な評価ができないという弱点がある。 Ⅰ(刺激しないでも覚醒している状態)Ⅱ(刺激すると覚醒している状態)Ⅲ(刺激をしても覚醒しない状態)0、清明 1、意識清明とはいえない 10、普通の呼びかけで容易に開眼する 100、痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする 2、見当識障害がある 20、大きな声またはからだを揺さぶることで開眼する 200、痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる 3、自分の名前、生年月日が言えない 30、痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼する 300、痛み刺激に全く反応しない 「Japan Coma Scale」参照 Glasgow Coma Scale (GCS) 世界で広く一般的に用いられている評価基準。 「開眼機能E(eye opening)」「言語機能V(verbal response)」「運動機能M(motor response)」のそれぞれの点数の合計によって表示する。 開眼機能E言語機能V運動機能M4、自然に開眼 5、見当識がある 6、命令通りにできる 3、命令すると開眼 4、意味のない会話をする 5、痛み刺激の部位がわかる 2、痛みに対し開眼 3、意味のない単語を発する 4、手足を引っ込める 1、開眼しない 2、意味のならない発声のみ 3、病的屈曲 1、反応なし 2、伸展反応 1、反応なし 「Glasgow Coma Scale」参照 Emergency Coma Scale (ECS) 主にJCSを原型としGCSの要素を導入して日本で開発された評価基準。「Emergency Coma Scale」参照
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