定期船同盟行動憲章条約
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「海運アライアンス」の記事における「定期船同盟行動憲章条約」の解説
1970年の国連統計によると、発展途上国は、世界貿易において輸出で62.4%、輸入で16.5%を占めるにもかかわらず、世界総船腹量において7.6%を保有するにとどまった。要は、途上国が輸出したり輸入したりする貨物の大部分を先進国の船が運んでいたのである。そしてこの頃は、FRBその他中央銀行が束になってもドルを防衛しきれず、ドルを中心とした世界的なインフレが運賃を高騰させていた。そこで発展途上国は、自国の海運会社を同盟に自由参加させろとか、一定の輸送シェアを与えよとか、タリフの不当な値上げを規制せよといった要求を1972年第3回国際連合貿易開発会議総会で具体化し、強行採決した。 骨子は6項目である。①すでに述べた自由参加。②輸送シェアについて、輸出入当事国間で半分ずつとするが、第三国船も運ぶときには2割を割り当てる。③発展途上国の輸出を促進するため、特恵運賃を設定する。④船主と荷主の協議機構をつくり、ここへ関係政府が参加する。⑤タリフ値上げに具体的手続を定める。⑥船主・荷主間の紛争を処理する強制的な仲裁制度を設ける。 以上が定期船同盟行動憲章条約の土台となり、そのまま1974年国連全権会議において条約として採択された。翌年6月30日までの署名期間に途上国・ソ連・ドイツ・フランス・ベルギー等30か国が参加した。発効要件は参加国の保有する船腹量が世界の1/4を超えてから半年という停止条件であった。この発効条件といい、②③⑤というアファーマティブ・アクションといい、自由競争ではない。定期船同盟行動憲章条約は海運アライアンスの再編成である。 国土交通省によると、イギリス・アメリカ・ノルウェーは今も立場を変えていない。
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