宗派において
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 02:03 UTC 版)
「日本仏教の戒律史」も参照 本来の仏教の伝統では、在家信徒は五戒・八齋戒、見習い出家者(沙弥・沙弥尼)は十戒、出家修行者(比丘・比丘尼)は波羅提木叉(別解脱戒、具足戒)を遵守した。この波羅提木叉(別解脱戒、具足戒)は、下述する「律」のことなので、出家修行者(比丘・比丘尼)においては、「戒」と「律」は同じ内容になる。それゆえに、「戒律」とひとまとめに総称されることにもなった。 大乗仏教においては、教派・宗派によってその扱いは様々である。まず、利他行・菩薩行を内容とする大乗仏教独自の戒律(大乗戒)は、本来は部派仏教でも採用する律に更に重ねて守られるべきものである。東アジアでは四大広律の中でも主に(法蔵部に由来する)四分律が用いられ、一部に真言宗のように(説一切有部に由来する)十誦律が重視された宗派もある。 日本仏教の諸派(特に南都仏教以外の諸派)では最澄の大乗戒壇説によってこうした四分律・十誦律が棄てられ、それらの上に載っていた大乗戒のみが残されるという特異な歴史的経緯を辿った。大乗戒については、チベット仏教のようにインド仏教以来の伝統的な戒律の瑜伽師地論系「菩薩戒」や、「三昧耶戒」を継承する場合もあれば、中国仏教や、日本においては律宗をはじめとする他の宗派のように、梵網経系「菩薩戒」(三聚浄戒・十重禁戒・四十八軽戒)や、日本密教独自の三昧耶戒などを用いたりする場合もある。 戒を守ること(「持戒」)は、大乗仏教の菩薩においては、六波羅蜜のひとつ「持戒波羅蜜」である。
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