宗教的な動機以外のもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 09:50 UTC 版)
「イコノクラスム」の記事における「宗教的な動機以外のもの」の解説
政治的、思想的な崇拝の対象であるもの(例えば人物の彫像)や象徴となる物の破壊が行われた。個人のイコノクラストによって政治的な動機を持って行われる場合もあれば、フランス革命のアンシャン・レジーム関連の象徴破壊のように、体制の崩壊と共に前体制の象徴の破壊として大々的に行われる場合もある。 歴史的出来事における象徴物の破壊を、宗教的あるいは大規模な文化的破壊であるものと、それらを中心としないような内的政変、外部からの侵略、あるいはその両方による体制の変化による破壊の両者に分けた時、前者のみを狭義のイコノクラスムと定義することもでき、古代ローマの記録抹消刑やフランス革命期の運動を後者の有名なものとして挙げることができる。しかし、十月革命後のロシアでの破壊や、古代エジプトのアクエンアテンに関する破壊のように、この区分による区別を厳密につけがたい事例も存在する。 古代エジプトの王アクエンアテンは、エジプトの伝統的な神々への不寛容とアテン神への拝一神教的な意向に従う形のエジプト美術の特筆的な変化を主導した結果、多くの寺とモニュメントの破壊をもたらした。宗教権力と王権の一本化を図って行われたと見られているこの改革は支持されず、アクエンアテンの死後その象徴は破壊され、新首都アケトアテンは放棄された。 十月革命後のロシアでは皇帝、帝政、ロマノフ家を象徴する事物への広範な破壊が全土に広がり、また宗教活動を減退させ制約させる手段の一つとして、モスクワの救世主ハリストス大聖堂を含む正教会の教会建築やユダヤ人墓地などの宗教施設が破壊された。 アメリカ独立革命においては自由の息子たちによってイングランド国王ジョージ3世のブロンズ像が倒され弾薬に転用された。元植民地地域のほとんどでは独立の際に似たような出来事が発生する。また、そのような際に倒されなかった像がより重要性の低い場所に移動されることもインドや元東側諸国でしばしば見られる。
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