宇宙移民への反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 10:14 UTC 版)
宇宙移民には費用がかかりすぎる、また時間の浪費であるとして多数の反対意見も挙がっている。彼らは、宇宙には私たちが本当に必要とするものは何も無い、加えて、太陽系外に向かうのは妥当なタイムスケールの範囲ではきわめて非現実的だと主張している。 「地球の上で私たちと一緒に暮らそう」という実用本位の議論には強力なものがある。彼らは、もし宇宙探査の費用の半分でもこの世界を良くする為に費やすことができれば、大勢の人たちがより素晴らしい利益を得ることができるだろう(少なくとも短期的には)と主張している。 また、反対派の主張の中には、宇宙移民は歴史上の植民の残りで(少なくともその発想からは)「創立者」のロマンチックな考えと地球上の征服活動からもたらされた欲望が消えていないというもの、さらに、宇宙探査は有権者の心を勝ち取るが、それ以外はさっぱりだというもの、宇宙移民の目的は征服活動のための愛国心に火を注ぐことで、したがって地球が一つになるのを助けるより、国家の悪い面を補強してしまうとさえ言うことができる、というものまである。宇宙移民によって建設された植民地の領有権などがどうなるのかも問題となっている。 人類の異なる未来の姿として、多くのSF作家は代わりにインナースペースの領域、人間の精神と意識を(コンピュータの助けで)探検することに焦点を当てている。この傾向の一つの例は映画『マトリックス』で、全ての出来事は地球(の表面下)とコンピュータが生成したサイバースペースの中で行われる。だが、トランスヒューマニストの思想に例示されるように、宇宙移民のためにもこのような方式に排他的である必要は無い。
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