大相撲における止め名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 05:26 UTC 版)
大相撲では、二度と使われないことになっている四股名を「止め名」という。 野球の永久欠番のように明文化されているものではないが、再び使われることがないとされる四股名には、以下のようなものがある。 現在年寄名跡として使われているもの 出羽ノ海(出羽海)、不知火など。現在の日本相撲協会の規約で、年寄名跡と重なる四股名は認められていない。 昔は年寄名跡を四股名にすることができたため東関、秀ノ山、阿武松(おうのまつ)といった四股名が存在、主に二枚鑑札の力士が襲名した。また大坂相撲との合併前は大坂年寄と同じ四股名の力士(陣幕、小野川など)が存在したが東西合併の時点で現役だった力士は後に改名した。 現役時代の実績によるもの 谷風(二代目)、雷電、常陸山、太刀山、栃木山、玉錦、双葉山、白鵬など。 谷風や雷電についてはいくつかの逸話もある。前者に関しては明治時代には既に止め名となっていたにもかかわらず駒ヶ嶽や大砲が襲名を打診されていた。 一代年寄として認められたもの 大鵬、北の湖、貴乃花。 千代の富士は一代年寄を辞退しているが、打診はされているため、同様の扱いと考えられる。 現在の制度では一代年寄として認められるのは、ずば抜けた実績を残した力士であり、それを考えれば現役時代の実績による止め名と同列に考えられる。 もっとも、貴乃花は喧嘩別れのような形で日本相撲協会を退職しているため、仮に一代年寄として認められなくとも後述の「忌むべき存在とされているもの」というカテゴリに入ったものと見られる。 部屋ゆかりの四股名で、部屋の消滅などによって実質の止め名となっているもの 梅ヶ谷など。 忌むべき存在とされているもの 新海・双ツ龍・双羽黒・朝青龍・日馬富士・若ノ鵬・琴光喜など。 主に不祥事が原因で現役や年寄を退いた者たちが名乗っていた四股名がこれにあたる。 現在では過去に使われていた四股名を継承することが稀になっており、その力士が初めて名乗る四股名が大幅に増えている。その中にはその力士の出自などの個性を強く反映した四股名もあり、その力士が引退したため、再び名乗る力士が二度と現れないような四股名が数多く生じているが、これらの四股名を「止め名」と呼ぶことはまずない。 行司については、立行司の名跡(木村庄之助・式守伊之助)が止め名とも言われるが、これは単に行司として最高位の地位という意味であり、これより上位の名跡が無いため、この名跡が最終襲名となることから便宜的に止め名と称されているだけであって、相応の実績が認められた行司が代々受け継いでおり、二度と使用されない名跡という意味とは異なる。
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