大法廷で審理される事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 21:41 UTC 版)
当事者の主張に基づいて、法律、命令、規則、又は処分が憲法に適合するか判断するとき(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則、又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く) 上記の場合を除いて、法律、命令、規則、又は処分が憲法に適合しないと認めるとき 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき 最高裁判所が裁判権を有する裁判官の分限裁判および高等裁判所のした分限裁判に対する抗告事件 小法廷の裁判官の意見が二説に分かれ各々同数の場合 小法廷において大法廷で裁判することを相当と認めた場合 人事官の弾劾裁判 上記各号の事件が大法廷で審理されることの根拠法令は、1から3については裁判所法第10条各号、4については裁判官分限法第4条、5および6については最高裁判所裁判事務処理規則第9条、7については人事官弾劾裁判手続規則第2条である。 裁判所法の一部を改正する等の法律(昭和23年法律第260号)による改正前までは、1のカッコ書きに該当する規定は存在せず、憲法事件は全て大法廷事件であったが、同改正法施行の1949年(昭和24年)1月1日以降は、一度大法廷判決で合憲とした法令や処分を再び合憲とする場合は小法廷で判断できることになっており、「大法廷判決の趣旨に照らして明らか」であれば小法廷で合憲判断を下すことができることになっている。したがって、小法廷で合憲判断をする場合は必ず過去の大法廷判決が引用されている。したがって、事件が大法廷で審理される場合は、過去の判例とは異なる憲法判断が示される可能性があると言える。 6の「大法廷で裁判することを相当」とする判断は各小法廷がするものなので、当該小法廷外の裁判官(大法廷で裁判長を務める最高裁判所長官を含む)が関与することはできない。大阪空港訴訟では岡原昌男最高裁長官の意向がきっかけで小法廷から大法廷に回付されたことがあるが、当該小法廷外の裁判官である長官の意向に法的強制力はなく回付の是非は当該小法廷で判断される。
※この「大法廷で審理される事件」の解説は、「大法廷」の解説の一部です。
「大法廷で審理される事件」を含む「大法廷」の記事については、「大法廷」の概要を参照ください。
- 大法廷で審理される事件のページへのリンク