大気候
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 08:59 UTC 版)
ケッペンの気候区分は、植生に着目した気候区分である。まず気候を樹木が生育できる気候(樹林気候)と生育できない気候(無樹林気候)に分類し、無樹林気候から乾燥度で乾燥帯、温度で寒帯を区分し、樹林気候は気温によって熱帯、温帯、冷帯(亜寒帯)の3つに分類したうえで、気温と降水量、降雨パターンによって各気候帯内でさらにいくつかの小気候に分類されている。 熱帯(グループA)熱帯雨林気候(Af) - 熱帯モンスーン気候(Am) - サバナ気候(Aw,As) 熱帯は最寒月の平均気温が18℃以上、年平均降水量が乾燥限界以上の地域を指し、赤道を中心として南北の回帰線(23度26分22秒)付近までの低緯度地方に分布する。熱帯気候は降雨パターンによって、乾季のない熱帯雨林気候、弱い乾季のある熱帯モンスーン気候、明確な乾季のあるサバナ気候の3つに分かれる。サバナ気候のwとsは、それぞれ冬季に乾季があるもの(w)と夏季に乾季があるもの(s)の違いである。 乾燥帯(グループB)砂漠気候(BWh,BWk) - ステップ気候(BSh,BSk) 乾燥帯は最暖月の平均気温が10℃以上であり、年平均降水量が乾燥限界以下の地域を指す。緯度20~30度付近の中緯度地帯に主に分布するが、寒流の流れる大陸西岸や、海から遠い大陸の中心部にも存在する。乾燥帯は降雨量によって、草原の広がるステップ気候と植生のほとんどない砂漠気候に分けられる。砂漠気候・ステップ気候はともに平均気温によって、年平均気温が18℃以上の場合(h)と18℃未満の場合(k)に二分されている。 温帯(グループC)温暖湿潤気候(Cfa) - 西岸海洋性気候(Cfb,Cfc) - 温暖冬季少雨気候(Cwa,Cwb,Cwc) - 地中海性気候(Csa,Csb,Csc) 温帯は最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満、最暖月平均気温が10℃以上で年平均降水量が乾燥限界以上の地域を指し、緯度30~40°程度の中緯度地方に主に分布する。温帯は降雨パターンと夏季の気温によって、乾季がなく暑い夏を持つ温暖湿潤気候、乾季がなく涼しい夏を持つ西岸海洋性気候、冬が乾季となる温帯夏雨気候、夏が乾季となる地中海性気候の4つに分かれる。 冷帯(亜寒帯)(グループD)冷帯湿潤気候(Dfa,Dfb,Dfc,Dfd) - 冷帯冬季少雨気候(Dwa,Dwb,Dwc,Dwd) - 高地地中海性気候(Dsa,Dsb,Dsc,Dsd) 冷帯は最寒月平均気温が-3℃未満、最暖月平均気温が10℃以上であって年平均降水量が乾燥限界以上の地域を指し、緯度40°以上の高緯度地方に主に分布する。ただし南半球にはこの地域に陸地が少ないこともあり、冷帯に属する地域はほぼ北半球のみに限られている。冷帯は降雨パターンによって、乾季のない冷帯湿潤気候、冬が乾季となる冷帯冬季少雨気候、夏が乾季となる高地地中海性気候の3つに分かれる。ただし高地地中海性気候に属する地域は非常に小さな範囲に限られている。 寒帯(グループE)ツンドラ気候(ET) - 氷雪気候(EF) 寒帯は最暖月平均気温が10℃未満の地域を指す。寒帯のみ、乾燥限界が気候帯の条件に含まれていないが、これは非常に気温の低い地域の場合水蒸気の供給が少ないため降水量が極端に低くなり、なおかつ蒸発も少ないので乾燥地とはならないためである。主に北極や南極中心に極点付近に分布する。寒帯は気温によって、短い夏の間には植物が生育可能となるツンドラ気候と、植物の生育がまったく不可能である氷雪気候の2つに分けられている。 高山気候(グループH)高山気候はケッペンの気候区分には無い区分で、トレワーサが後に追加したものである。
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