大気中の水蒸気の可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 16:03 UTC 版)
「オシリス (惑星)」の記事における「大気中の水蒸気の可能性」の解説
2007年4月10日に、ローウェル天文台の Travis Barman はこの惑星の大気が水蒸気を含んでいる証拠について発表した。過去に公表されているハッブル宇宙望遠鏡での測定と新しい理論モデルを用いた結果、大気中の水蒸気による吸収を示す強い証拠が発見されたことが報告された。彼の手法は、惑星が主星の手前をトランジットする際に惑星の大気を直接通過してくる光をモデル化したものである。しかしこの仮説は確認のためにまだ調査中である。 Barman は、ハーバード大学の学生である Heather Knutson がハッブル宇宙望遠鏡を用いて取得したデータを利用し、そこに新しい理論モデルを適用して惑星の大気中での水蒸気の吸収の尤度を計算した。惑星は主星を3.5日に1回公転し、その度に主星の手前を通過するため、恒星から地球に向かって惑星の大気を直接通過してくる光を惑星の大気がどのように吸収するかを調べることによって、その惑星の大気の特徴を分析することが出来る。この研究によると、そのような系外惑星の大気中での水蒸気による吸収によって、可視光線でのスペクトルと比較して赤外線でのスペクトルの一部にわたって惑星の見かけのサイズが大きく見えるという結果をもたらす。これらのデータと理論モデルから、Barman は惑星大気中での水蒸気の吸収の存在を特定したとされている。 4月24日に、ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測を率いた天文学者の David Charbonneau は、望遠鏡そのものによって引き起こされるスペクトルの変化によって、理論モデルが水の存在を示唆してしまう可能性があるという点を指摘した。かれは今後数ヶ月の間のさらなる観測によってこの問題が解決するだろうと望んだ。 その後2009年10月20日に、ジェット推進研究所の研究者らが惑星の大気中から水蒸気、二酸化炭素およびメタンを発見したことを発表した。これはハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡による観測データから発見されたものであり、ホット・ジュピターとしては2番目の発見となった。
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