大気中での落下運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 01:20 UTC 版)
物体が大気中を運動する場合は空気抵抗を受けるため、厳密には自由落下とは呼べない。にもかかわらず、物体の落下運動が明らかに空気抵抗の影響を受けている場合でも自由落下と呼ぶことがある。落下する物体が空気抵抗を受ける場合、空気抵抗は物体の密度に反比例し、回転や形状や気流によっても異なり、下部表面積や速度に比例するため、無限の時間が経過すれば空気抵抗と重力が釣り合って等速運動となる。このときの速度を終端速度という。物体の運動速度が終端速度に比べて十分に小さい場合、例えば実験室中でおもりの落下運動を観察する場合などは、空気抵抗を無視して自由落下と考えて差し支えない。 空気抵抗を受けながら自由落下する物体の落下速度及び位置(高度)は、落下速度を v y {\displaystyle v_{y}} 、高度を y {\displaystyle y} とすると次のようになる。ただし落下速度、高度ともに鉛直上向きを正とする。 m a y = − k v y − m g v y = ( v y 0 + m k g ) e − k t / m − m k g y = − m k [ ( v y 0 + m k g ) ( e − k t / m − 1 ) + g t ] + y 0 {\displaystyle {\begin{aligned}ma_{y}&=-kv_{y}-mg\\v_{y}&=\left(v_{y0}+{\frac {m}{k}}g\right)e^{-kt/m}-{\frac {m}{k}}g\\y&=-{\frac {m}{k}}\left[\left(v_{y0}+{\frac {m}{k}}g\right)\left(e^{-kt/m}-1\right)+gt\right]+y_{0}\end{aligned}}} y 0 {\displaystyle y_{0}} は物体の初期高度、 v y 0 {\displaystyle v_{y0}} は初速度、 m {\displaystyle m} は質量、 k {\displaystyle k} は空気抵抗係数である。 終端速度 v y ∞ {\displaystyle v_{y\infty }} は v y {\displaystyle v_{y}} の極限をとることで求められる。 v y ∞ = lim t → ∞ v y = − m k g {\displaystyle v_{y\infty }=\lim _{t\to \infty }v_{y}=-{\frac {m}{k}}g}
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