空気抵抗を受ける場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 01:55 UTC 版)
物体が受ける空気抵抗の大きさは、空気に対する物体の速度に比例する。そのため空気抵抗がある場合は上の場合とはことなった運動をする。このとき、物体の速度及び位置は次のようになる。 v x = v 0 e − k t / m cos θ , v y = ( v 0 sin θ + m k g ) e − k t / m − m k g ; x = m v 0 k ( 1 − e − k t / m ) cos θ , y = m k { ( v 0 sin θ + m k g ) ( 1 − e − k t / m ) − g t } + y 0 {\displaystyle {\begin{aligned}v_{x}&=v_{0}e^{-kt/m}\cos \theta ,\\v_{y}&=\left(v_{0}\sin \theta +{\frac {m}{k}}g\right)e^{-kt/m}-{\frac {m}{k}}g;\\x&={\frac {mv_{0}}{k}}\left(1-e^{-kt/m}\right)\cos \theta ,\\y&={\frac {m}{k}}\left\{\left(v_{0}\sin \theta +{\frac {m}{k}}g\right)\left(1-e^{-kt/m}\right)-gt\right\}+y_{0}\end{aligned}}} また、 t {\displaystyle t} を媒介変数とすると、 x {\displaystyle x} と y {\displaystyle y} の関係は次のように表される。 y = x v 0 cos θ ( v 0 sin θ + m k g ) + m 2 g k 2 ln ( 1 − k x m v 0 cos θ ) + y 0 {\displaystyle y={\frac {x}{v_{0}\cos \theta }}\left(v_{0}\sin \theta +{\frac {m}{k}}g\right)+{\frac {m^{2}g}{k^{2}}}\ln \left(1-{\frac {kx}{mv_{0}\cos \theta }}\right)+y_{0}} ここで、 m {\displaystyle m} は物体の質量、 k {\displaystyle k} は空気抵抗係数である。 空気抵抗は物体に速度に比例する逆向きの力を受けるため、重力と空気抵抗を受ける物体ではやがて重力と空気抵抗がつりあい、終端速度に達する。終端速度は、 v x {\displaystyle v_{x}} 及び v y {\displaystyle v_{y}} の極限をとることで求められる。ここで終端速度のx成分を v x ∞ {\displaystyle v_{x\infty }} 、y成分を v y ∞ {\displaystyle v_{y\infty }} とすると v x ∞ = lim t → ∞ v x = 0 v y ∞ = lim t → ∞ v y = − m k g {\displaystyle {\begin{aligned}v_{x\infty }&=\lim _{t\to \infty }v_{x}=0\\v_{y\infty }&=\lim _{t\to \infty }v_{y}=-{\frac {m}{k}}g\end{aligned}}} となり、十分時間が経過した後、空気(流体)中に斜方投射された物体は鉛直下向きに等速直線運動をすることがわかる。 このため、流体中で斜方投射された物体は水平方向にはある距離以上には到達することができない。物体が水平方向に到達できる限界の距離を x ∞ {\displaystyle x_{\infty }} とすると、 x {\displaystyle x} の極限をとって x ∞ = lim t → ∞ x = m k v 0 cos θ {\displaystyle x_{\infty }=\lim _{t\to \infty }x={\frac {m}{k}}v_{0}\cos \theta } であることが求められる。
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