空気望遠鏡の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/09 04:44 UTC 版)
1675年ごろ、クリスティアーン・ホイヘンスは兄コンスタンティンとともに、鏡筒をなくすことで、焦点距離を非常に長く取った望遠鏡を作った。空気望遠鏡の登場である。長い柱の上に対物レンズを取り付け、観察者の手元に接眼レンズを置き、対物レンズと鏡筒レンズをワイヤーで繋いで一直線に並べた。対物レンズと接眼レンズにはごく短い鏡筒が取り付けられているが、その途中に鏡筒に相当する部品が無い。また、対物レンズの高さが変えられるよう工夫されていた。対物レンズはボールジョイントで固定してあるため、ワイヤーで向きを変えることができた。弟のクリスティアーンは、この望遠鏡を、1684年に出版した本「Astroscopia Compendiaria」(収差補正望遠鏡)の中で紹介している。 なお、似たデザインの望遠鏡をアドリアン・オーズーやクリストファー・レンも考案している。 ホイヘンスは天体観測のため、いくつかの工夫をしている。例えば、明るい惑星を観察するために、像を白い厚紙、あるいは油を塗って半透明にした紙の上に投影させた。似た工夫をフィリップ・ド・ラ・イールやニコラース・ハルトゼーカー(英語版)も記録に残している。 空気望遠鏡は焦点距離を長く取れる。クリスティアーン・ホイヘンスらが1686年に作った空気望遠鏡の対物レンズ直径/焦点距離は、200mm/52m、220mm/64mだった。ホイヘンスはさらに、1690年にロンドン王立協会に190mm/37.5mのものを提案している。一方、アドリアン・オーズーらは焦点距離90~180メートルのものを作っており、さらには、月に住む動物を観察するためとして、100フィート (30 m)のものを提案している。
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