おんだんとうきしょうう‐きこう〔ヲンダントウキセウウ‐〕【温暖冬季少雨気候】
読み方:おんだんとうきしょううきこう
温帯夏雨気候
(温暖冬季少雨気候 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 12:13 UTC 版)
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fa | fb | fc | fd | m | wa | wb | wc | wd | sa | sb | sc | sd | ||||||
E | 寒帯 | ET | EF | |||||||||||||||
D | 亜寒帯 | Dfa | Dfb | Dfc | Dfd | Dwa | Dwb | Dwc | Dwd | Dsa | Dsb | Dsc | Dsd | |||||
C | 温帯 | Cfa | Cfb | Cfc | Cwa | Cwb | Cwc | Csa | Csb | Csc | ||||||||
B | 乾燥帯 | BSh | BSk | BWh | BWk | |||||||||||||
A | 熱帯 | Af | Am | Aw | As |

温帯夏雨気候(おんたいかうきこう)、または温帯冬季少雨気候(おんたいとうきしょううきこう)とは、ケッペンの気候区分のひとつで、温帯に属する。記号はCwa、Cwb、CwcでCは温帯、wは冬季小雨(wintertrocken)を示す。温暖冬季少雨気候(おんだんとうきしょううきこう)、亜熱帯モンスーン気候(あねったいモンスーンきこう)ともいう。アリソフの気候区分では気候帯4-4.亜熱帯東岸気候に相当する[1]。
特徴
夏季は降水量が多いが、冬季は降水量が大幅に少なくなり、小雨となる。湿潤大陸性気候との境界部を除けば、冬季の寒さは厳しくない。また、標高が高い地域は、夏季は冷涼であり、Cwb、Cwcに属する。
条件

- 最寒月の日平均気温が-3℃以上18℃未満。
- 最暖月の日平均気温が10℃以上。
- 年間平均降水量が乾燥限界以上。
- 最多雨月が夏季にあり、10×最少雨月平均降水量<最多雨月平均降水量。
さらに、最暖月の日平均気温により、次の3つに分類される。
- Cwa - 最暖月の日平均気温が22℃以上。
- Cwb - 最暖月の日平均気温が10℃以上22℃未満かつ日平均気温が10℃以上の月が4か月以上。
- Cwc - 最暖月の日平均気温が10℃以上22℃未満かつ日平均気温が10℃以上の月が3か月以下。
Cwcはアンデス山脈など、限られた地域にのみ存在する。
分布
分布地域
日本での分布地域
温帯夏雨気候に属する観測所が存在するのは、以下の市町村である。
この気候に属するおもな都市
熱帯モンスーン気候・サバナ気候との境界部
- 香港[2][3]
- ハノイ(ベトナム)
- グワーハーティー(インド)[3]
- アラハバード(インド)
- プレトリア(南アフリカ、ステップ気候(BSh)との境界部でもある。)[3]
- コルドバ(アルゼンチン)
- 台中(中華民国)
サバナ気候地帯の緯度に相当する高原
- 昆明(中国、標高1892m)[3]
- ダラット(ベトナム、標高1400m)
- バギオ(フィリピン、標高1400m)
- アディスアベバ(エチオピア、標高2400m)
- ナイロビ(ケニア、標高1795m)
- アンタナナリボ(マダガスカル、標高1276m)
- ハラーレ(ジンバブエ、標高1600m)
- マセル(レソト、標高1600m)
- メキシコシティ(メキシコ、標高2240m)
- クスコ(ペルー、標高3399m)[3]
- ポトシ(ボリビア、標高4067m、ツンドラ気候(ET)との境界部でもある。)
亜寒帯冬季少雨気候との境界部
土壌と植生の特徴
- 赤色土、黄色土が分布している。
- 亜寒帯冬季少雨気候への移行部では、褐色森林土が分布している。
- 熱帯から温帯への移行部では、シイ類、カシ類、クス類、ツバキ、サザンカなどの照葉樹林(雨緑林)が分布している。
農業の特徴
- アジア(華南・広東やベトナム・ミャンマー北部)では、米の二期作が行われている。
- 農業の生産性が高く、米、綿花、茶、とうもろこし、小麦などの栽培が盛んである。
- 南アメリカやアフリカでは、花の生産や冬の乾燥に強い芋・豆類の生産も盛んである。
脚注
参考文献
- 矢澤大二『気候地域論考―その思潮と展開―』古今書院、1989年11月20日、738pp. ISBN 4-7722-1113-6
外部リンク
- 温暖冬季少雨気候のページへのリンク